An endless arching need
□第1章 夜間部
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宵の刻−月の寮前−
相変わらず騒がしいなぁと思いつつ、門の上に座り、傍観していた。
「はいはいはい!下がって下がって!デイ・クラスの皆さんはもう門限ですから自分の寮に帰って」
月の寮前で騒いでいる普通科生に呼び掛ける黒主優姫。
彼女はこの学園の風紀委員兼守護係...らしい。
あっ、門が開いた。
門の上から飛び降りて、支葵の隣に並ぶ。
「今日も座ってたの?紗菜」
『うん。だって、支葵がさっきまで仕事で暇だったから』
支葵と私は、ほぼ一緒にいる。
理由は静かで大人しいから。
「だったら、着いてくれば良かったじゃん」
「おい、支葵!紗菜様に何ていう口の聞き方をしているんだ!」
はぁ、また始まった。
一度始まったら、暫く続くからほうって置こう。
『ねぇ、早園と架院。あの言い合い止めてきて?』
藍堂の事を良く知っている二人に頼んで、一条先輩と教室に向かった。