スノードロップ

古びた塔。
細く伸びた蔓はその全面を覆い尽し、屋根はうっすらと雪化粧を施している。窓は開け放たれ、凍てついた風が入り込むのを許している。それと同時に、柔らかなはずの雪が、まるでその身を刺す刃のように窓際にいた彼女を襲った。
彼女は静かに窓を閉じて、暖かな暖炉の傍に寄り添うように座り込む。灯りのない室内では、赤く燃えた炎だけが煌々と存在を知らしめていた。石造りの床には絨毯など敷かれていない。足の裏から直に伝わるひんやりとした感触には、もう慣れてしまっていた。膝を抱え込み、たった一枚しかない薄っぺらい毛布を手繰り寄せてくるまると、じわりとした温もりがその身を包む。

鋼鉄な南京錠と鎖によって硬く閉ざされた扉。そこから出ることは許されず、見えない鎖もまた彼女を縛った。虚ろな目は、ただ空虚な空間を見つめる。薄暗いその部屋で、彼女は何を思うのか。




初投稿の小説です!
まだまだ未熟ですが、暖かい目で見てやってください。
更新はちょこちょこしていきます。
大きな矛盾点は指摘していただけると助かります。
それでは、よろしくお願いします!

表紙を開く

解説を読む

[TOPへ]
[カスタマイズ]





カスタマイズ