書物1.
□迷子さん
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大学の卒業式が終り、残りは修了式のみというわけで忙しさもかなり落ち着いた今日この頃
大学内で幼く見える女性が一人
どう見てもまだ20前後に見える
だから、この大学の生徒だといわれても違和感なんてこれっぽっちも無い
だか、どうみても彼女はここの大学生ではない
今にも泣きそうな顔をして大学内を彷徨っている
あーぁ
こんなところでそんな顔していたら知らない男が君を食べにやってくるよ
優しくされれば女はころっと騙されるんだから
人間なんて所詮そんな生き物なんだ
ピコピコン…ピッピー
「…あー、またやり直しか」
もうちょっとだったのになぁ〜
『久慈くん?』
「神崎…直さん?」