異世界への扉

□それは君を見つける道標
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翌朝、こちらには手がかりが無いため
誰かと合流することにした。


『どこか手がかり掴めたかな?』

「どうかしら…少しくらい、情報あってもいいはすだけど」


そんなことを話しながら昨日みんなと別れた辺りまで来た時、


『あ!あれ、美朱と鬼宿じゃない?』

「あ、ほんとね」


「あ、明日香!柳宿!」

「よ。丁度みんなと落ち合おうと思ってたんだ」

『なにか分かったの?』

「あぁ。この先の黒山って山の頂上にあるらしい。みんなを集めて行こうと思って」

「そう……なら、あたしが先に行ってるわ。あんたたちはみんなを連れて来て」

『え…でも柳宿、ひとりで大丈夫なの?昨日の…』

「大丈夫よ」

『でも…やっぱり私も』

「あんたは鬼宿たちとみんなを連れてきて」

『……』

「それじゃ、あとで」


頭を撫でると、馬に乗り行ってしまった。


『柳宿…』

「…明日香。大丈夫よ。柳宿は強いんだから」

『…うん』


でもなんだろう…すごく胸騒ぎがする。


「よし。とりあえず、みんなを探そうぜ」

『…うん』


しばらく歩き回り、軫宿と翼宿を見つけた。


「あれ、柳宿はおらんのかい」

『先に行ってる』


そんな話をしていた時、突然、今までに感じたことの無い不思議な感覚を覚えた。

それは、紛れもなく“負の感覚”。
良くないことが、起こった。


「なんだ…今の感じ」


それは、みんなも同じだったようで、顔を青くしていた。


「誰かに、何かあったのか」


軫宿のその言葉に、直ぐに頭に浮かんだのは


『…柳宿!』

「あ、明日香!」

「馬鹿っひとりで行くな!」


みんなの声も気にせず走り出した。


「俺たちが井宿と張宿を見つけていく。鬼宿たちは明日香を終え」

「わかった」





『柳宿…柳宿……!』


どうか、無事でいて──




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