異世界への扉

□2月14日
3ページ/4ページ




次は、、


廊下を進むと前方に鬼宿を見つけた。



『あ、鬼宿ー!!』


鬼「ん。おぉ、明日香か。どした?」


『鬼宿に、これ上げる』


鬼「…あぁ、さんきゅ。…で、なんだ?これ」


『チョコレート』


鬼「ちょこれーとぉー?」


『美味しいよー』


鬼「…」


『…な、なによ。その目』


鬼「変なものじゃねぇかなって」


『失礼な。私の世界で人気のお菓子なんだからっ。嫌なら食べなくていいよー』



取り上げてやろうと手を伸ばすが
鬼宿はそれを上にあげ取られないようにした。



鬼「冗談だって!食うよ、食うからっ」



鬼宿が一口頬張ると目を見開いた。



鬼「何だこれ、うめぇな!」


『ホント?良かった』


鬼「もうないのか?」


『はやっもう食べたの?あとは他のみんなに上げるから、今日はもうないよ…

また作ってあげるから』


鬼「ふーん」


『そうだ。誰か見なかった?』


鬼「さっき向こうで翼宿と柳宿が取っ組み合いしてたぜ」


『そう、ありがとう!』



鬼宿の指す方に行ってみると
いつからだろうか、未だに取っ組み合いをしているふたりがいた。



柳「何よっ文句でもあんのー?!」


翼「ちょ、おまっ…」



取っ組み合い…というか、
柳宿が翼宿を締め上げていた。



『ちょっと、柳宿!翼宿死んじゃうよっ』


柳「あら、明日香。大丈夫よ、このくらいで死んだら七星士が務まらないわ」


翼「俺かて七星士の前に人間や!首絞めたら死ぬで!?」


『あはは…。あ、柳宿と翼宿にもこれあげる』


柳「何?」


翼「何や、この…黒い物体」


『チョコレート。お菓子だよ』


柳「明日香の世界のお菓子ね」


『そうだよ。今日、2月14日だから』


翼「だから何や?」


『あー、いいから。食べてみてよ。別に変なもの入れてないから』



ふたりが同時に一粒口に頬張った。



翼「甘ーっ」


柳「あら、おいしいじゃない」


『気に入ってくれてよかった』




その後、明日香は井宿、軫宿、張宿を探しに再び宮廷を歩き回った。



『井宿はきっとあそこだよね』



井宿が暇さえあればいる、庭の池。



『…やっぱりいた』



『井宿』


井「ん…明日香、どうしたのだ?」


『ちょっと井宿に渡したいものがあって』


井「ん?」


『これ、私の世界のお菓子何だけど、今日2月14日だから

井宿にはお世話になってるから、お礼だよ』


井「ありがとうなのだ」



井宿は特に質問や躊躇なく口に頬張った。



井「んー、思ったより甘いのだ」


『甘いの苦手?井宿大人だからね』


井「そんなことないのだ。たまに食べる分には丁度いいのだ」


『よかった。あと、軫宿と張宿探してるんだけど知らない?』


井「軫宿の部屋じゃないのか?今朝、張宿と薬草について調べると言ってたのだ」


『そっか、ありがとう!』







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ