君への愛めいっぱい

□第四章
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こっちに来て2週間。


匠「おはようございます」

「おはよう」

井「ん?明日香はどうしたのだ?」

匠「街に行くっていって出ていきましたけど?」

鬼「お前っひとりで行かせたのか!?」

匠「え?何か問題でも…」

翼「アホ!何かあったらどないすんねん!」

匠「で、でも…朱雀召喚してこの国は平和に…」

柳「平和になったからってね、治安が良くなったわけじゃないのよ!」


みんなに責められる匠。


星「落ち着かんか」

張「とりあえず、心配なので探しに行ったほうがいいですね」

柳「あたし行ってくるわ」

翼「俺も行くで」


こうして、柳宿と翼宿で街へ繰り出した。



その頃明日香は…


『…この辺、だったかな』


こっちに来た時にいた場所に来ていた。


別に、帰りたいわけじゃない。
けど、匠だけでも返してあげないと…
なにかヒントがあるかも。


「あのっ朱雀の巫女様、ですよね?」

『…え、』

「お召し物が、変わっていたので」


現れたのは小さな男の子。
似てる、、


「あの、僕浩然(ハオラン)です。朱雀の巫女様が現れたということは、この国は再び滅びようとしてるのでしょうか?」

『…』

そんなこと聞かれても、私は何も知らないし…

だけどこの子、本当に不安そう。
私に出来ることって言っても、、



明日香はその男の子に目線を合わせるようにしゃがみ、頭に手を置くと優しく撫でながら言った。


『正直、私にもわからないの』

「え…」

『でも、大丈夫。もしこの国に何かあっても私がなんとかするから。あなた達が一生安心して暮らせるように、この国を守るから。ね?』


その言葉で救われたのかはわからないが、男の子はパァっと表情が明るくなり「ありがとうございます!」と言って走っていった。

その走っていった先には人影が、


柳「ここにいたのね、」

『柳宿、さん…』

「姉ちゃんたち、ちょっと俺達に付き合わねーか?」


そこには男たちが5〜6人。


『え…』

柳「ダメダメ、あんたらみたいな連中に付き合ってる暇ないの」

「いいから来いよ」


男が明日香の手をつかんだ時


ガシッ

柳「ちょっと、この子に手を出さないでくれるかしら」


柳宿がその男の手をつかんだ。
あまりの痛さに男が明日香から手を離すとお腹にパンチを入れた。


「ぐっ…」

「ってめぇ!」


次々に男たちが飛びかかってきた。


柳「あんたはあたしの後ろにいなさいっ」

『え…』



柳宿は飛びかかってくる男たちをなぎ倒していった。

全員伏せたところで、柳宿が向き直した。


柳「全く、ひとりで街に出るなんて危険すぎるわ!それに、そんな格好で出歩いちゃ目立ってしょうがない」

『…』

柳「…一体なにしてたの?」

『…帰り方、なにかわかるかもと思って』

柳「…」


俯く明日香に柳宿は頭を撫でた。


柳「なによー、柄にもなくシュンとしちゃって。

 …大丈夫よ。帰るまでちゃんとあたしたちがあんたのこと守るから」

『柳宿さん…』

柳「戻りましょ。みんな心配してるの」

『…はい』


柳「それとさ、あんたいつまでさん付けで呼んでるわけ?気持ち悪いから呼び捨てでいいわよ。あと敬語もなし」

『は…うん』

柳「素直でよろしい」







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