異世界への扉

□本当の気持ち
1ページ/2ページ





『…ぬり、こ、、?』

柳「…」


イマイチ状況が理解できなかった。

今、柳宿に抱き締められている。

夕食後、美朱とおしゃべりをしてそろそろ休もうと自室に戻っている途中、柳宿に会った。

なんとなく、そのままの流れで回廊で月を見ながら話していると、


柳「あたし…あんたが、好きなのよね」

『…え?』


突然、そんなことを言われ、視線を柳宿に向けると目があった。

切なげに真剣な目をしていた彼から目が離せずにいると、次の瞬間には腕の中。













『…柳宿?』

柳「明日香」

『…』


つい頬が緩んで、彼の背中に手を回しかけてハッとした。

回しかけた手を前にやり、そっとかれの胸を押した。



柳「…明日香、」

『ごめん柳宿。今は、貴方の気持ちには、答えられない』

柳「…」


悲しげな雰囲気が伝わってきて顔があげられない。


『…おやすみなさい』


顔を見られず、彼をそのままに自分の部屋へ急ぎ足で戻った。


柳「…」


























翌朝、昨日のことを考えながら朝食に向かった。

柳宿のことを考えると、目の前の扉を開けるのを戸惑う。



もういるのかな…。


「なぁにしてんの?」

『っ…!』


声がして振り向くと、いつもどおりの笑顔で柳宿が立っていた。


『柳宿…』

柳「おはよう、早く朝ごはん食べましょー」


先に扉を開けて食卓につく柳宿。
彼の後を追うように、私も自分の席についた。









柳「ちょっと、美朱ー。あんた頬張りすぎ」

美「柳宿も早く食べないとなくなるよ」


『…』


朝食は、至って普通だ。

昨日のあれは夢だったのだろうか…。


柳「…」






朝食後、いつもどおり美朱とおしゃべりをしていた。


美「ねぇ、明日香」

『…』

美「?…明日香?」

『ん…え?ごめん、何?』

美「どうしたの?」

『ちょっと、考え事』


そこへ、柳宿と鬼宿がやってきた。


柳「あ。いたいた〜」

美「鬼宿、柳宿。どうしたの?」

鬼「ちょっと街にでるんだ。お前らもこないか?」

美「行く行くー!ね、明日香も行こう」

『あ、う、うん…』






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ