異世界への扉

□たま、観察日和
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『……』


2月22日。ネコの日。


『…ということで、今日はたまの観察をしよう!』


「にゃ〜」


たま、普段は軫宿の部屋で休む。

まぁ、元々軫宿のネコだしね。





『……』

「なにキョロキョロしてんの?明日香」

『え、な、なんでもないよ』


食事の時、たまは見かけない。



『あ、たまいた』

「みゃ〜」

『へへ、』


こうしてたまに、足元に擦り寄って来るのが可愛い。


「おう、明日香。何してるんや」

『翼宿。たまと遊んでるの』

「ほーう。これからもう一人のたまとオカマと市街行くんやけど、お前も来るか?」

『ううん。今日はたまの日だからいい』

「たまの日?なんやそれ」

『また今度ね!あ、たま』


またトコトコとどこかへ向かうたまの後を追う。


「変な奴」




……。



『たま、どこ行くのー?』


トコトコとどこかへ向かうたま。
突然、タッタッと走っていき、その方には井宿が釣りをしていた。


「たま、どうしたのだ」

「にゃ〜」

『お魚欲しいのかな』

「明日香」


たまが井宿の足に入り込んだので私も隣に座った。


「明日香は何をしてるのだ」

『んー、たまと追いかけっこ』

「?」

『……井宿って、たまみたいだね』

「んー……失礼なのだ。」

『えへへ、ごめん』


また、ピョンと井宿から飛び降り、トコトコとどこかへ向かう。


『あ、またね井宿』

「……変な遊びをする子なのだ」


……。


『今度はどこに行くのかな』


たまを見ながら歩いていると誰かの足元が視界に入った。


『ん…あ、星宿』

「明日香、何をしておるのだ。下なんか向いて」

『たまを追っかけてたの』

「たまを?」

『今日は一日たまを観察しようって日なの』

「そうか。楽しそうだな」

『星宿はお仕事?』

「あぁ、これから戻る」

『頑張ってね』

「ありがとう」






『たまどこいったのかな』


星宿と話していたら、たまを見失った。
たまを探して三千里……も歩いてない。

キョロキョロとたまを探していると、木の影で丸くなっていた。


『あ、いた』


そろそろと近づくと、ピクッと耳が動いた。


「にゃ」

『ふふん、一緒にいーですか?』

「にゃ〜」


たまの返事を貰い、木を背もたれに座るとピョンと膝の上にたまが乗りそのまま丸くなった。


『かわいい……』


撫でているうちにウトウトしてしまった。






……。



「こんなとこにいたのだ」

「仲がいいな」

「あらら、気持ちよさそうにしちゃって」

「可愛らしいな」


明日香がしばらく見えないと軽く騒ぎになり、七星士総出で探し回った。


「人騒がせなやつだなー」

「騒いでたん、星宿様だけやで」

「翼宿さんも十分騒がしかったです」

『ん………わっ、、なんでみんないるの』

「あんたがいないって探し回ってたのよ」

『あ…たま撫でてたら、眠くなっちゃって』

「見つかったから良かったのだ。そろそろ食事の時間なのだ」

『うん』




「そうだ。明日香。たまの観察はどうだった」

『ん……うーん。たまって、

自由で羨ましいね』

「「「………」」」

『お腹すいちゃった!早くご飯いこう!』



「あいつも、十分自由だと思うけどな」

「たまに負けず劣らず、な」

「そこが明日香さんのいい所ですよ」







END・2020/02/22

ゆるゆるの夢でした。



 

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