*Judge
□白と黒
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季節は夏。本当は冬の方が好きなんだけどな。
タンクトップの裾をパタパタさせながらもう溶け始めているアイスを含む。なんて暑さだ。
それくらいにこの逆巻のお屋敷は人間が快適に暮らせるようには配備されてない。
だから人間の私には凄く生活しづらい。
さっきもレイジさんに冷房設備をお願いしに行ったところだ。
「..こうも暑いと、ヤル気なんてまるで出ないわね」
手が疲れてきて、少しでもと扇いでいた動きが止まる。
そのせいで身体から汗が滝の様に流れてくるのに苛立ちを覚えた。
あーなんか海とかプールとか、そんな所に行きたいなー。そういえば逆巻ってプールあったよね、あそこに入るってのはどうだろう。
「いいね〜、一緒にプールで遊ぼうよビッチちゃん!」
「..............」
私の言葉となってない考えにいつもように返答をしたのは、
「.......ライト」
まぁ、ライトだよな。
というか、なんで心読めてるの。超能力者かお前は。いや、ヴァンパイアだからありなのか?
そんな内の思いににまたライトが返す。
「...いや、そうじゃなくてさ。ビッチちゃんがなんとなくそんな顔してたからその返答なるものを言ったまでだよ」
ああ、そう。
それじゃあまた顔がそんな風にしてたから二度目も答えたと。
なにそれ凄い。
無表情で、感嘆とする。
もちろん睨み付きで。
.............、
「じゃなくて!」
何それ聞いてないし知らないんだけど。
あまりの事にさっきからツッコミが絶えないのはどうか気にしないで頂きたい。
「なんで居るの、いつから居たの!この前私に断りも無くは入らないって約束したじゃない!」
ライトに思いっきり睨みをきかせながらまくしたてる。
私は彼がここに入って来たことをしらない。だったらそれは約束を破棄したという事になるんじゃなかろうか。
対して、冷や汗を浮かべたライトは、
「仕方ないんだよビッチちゃん、アヤトくんがどうしても呼んで来いって言うからさ〜」
「...アヤトが?」
何故かアヤトの名前が出てきた。
まあ、ライトからしたらアヤトはお兄ちゃんだもんね。逆らえないっていう点では合理がいくかも。
確かに、とそんな風に思っていれば、
「ライト!お前遅すぎなんだよ。速く呼びやがれってんだ。」
早速、そのご本人様が登場で。
その横暴な態度には毎度困らせられる。
そして、私の怒りの矛先がアヤトに向かい
「アヤト!あんたお兄ちゃんでしょ!!なんで弟にそういうの押し付けるのよ!」
「はぁ?お前何キレてんだよ。つーかこんなに待たせやがったライトが悪いんだろーが」
「また貴方はこの後に及んで...他人の力に頼りすぎなのよ!少しは自分でやったらどうなの!?」
いつもの様に口喧嘩がはじまった。
また説教して、そしてそのままダラダラ過ごす。
そのつもりでいれれば、なんてありがたかっただろう。
..........なにこれ。
「おい、いつまでかかってんだよ」
「..なっ、待って勝手に開けないで!」
「ビッチちゃんもしかして時間稼ぎー?酷いなー、さっきまで卑怯に対してあんなに怒ってたのに自分が卑怯な事しててもそれは怒らないんだ?」
「.........何こいつら。」