*Dream trip
□Chapter.3 まるで夢物語
1ページ/5ページ
ゲームの中では小森ユイちゃんという女の子の主人公が居て、
あんな子が周りにいたらどれだけ幸せかなーなんて、休み時間に何度も考えた。
いてくれたら、良かったんだけどな。
「.........っ、.......あれ」
目をしばしばさせながら天井を眺め、そしてゆっくりと腰を持ち上げて身体を起こしてみた。
「................」
一体何がどうなって、何が起こったんだっけ。
まだ脳がフル回転してないからなのか、一瞬だけ思考が固まる。
そして、
「......あ、そうだ。私こっちの世界に来ちゃったんだ」
そうだそうだった。気がつくとアヤトが目の前に居て、驚きや恐怖で心がいっぱいになりながら気を失った様な気がする。
え、でも目の前にアヤト居たんだよね。あの人達は人の生死なんか気にしないのに.....なんで、
頭の中で大事な事を考えていると、
「あ、起きたんだ。おはようビッチちゃん」
その声に少しだけ肩を震わせる。
やっぱりこの世界はそんな簡単に事が進まされないんだな、と実感して。
残酷だな、と心の中で呟いた。
Chapter.3 まるで夢物語