運命

□第5夜
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封印されし異世界

ナラは、封印されし異世界で眠っていた。皆を、置いてきた愛し子を守るために最愛の人と二人で外と内から強力な封印を施して









不思議な感覚だった……いや、この感覚は経験したことのあるもの私がヴァルハラにいたころの感覚に酷似している。

「………………」

「起きましたか、ナラ?気分はいかがかしら??」

「誰?」

覚めるはずのない目が覚め、知らない顔がうつりこんだ…………何もかもがあの時と酷似している。

「そうねぇ、この姿ではわからないでしょうね。私はアルバですよ、お嬢様?」

「アル、バ………………!?アルバ、ここはどこ!!??その姿は何?」

「落ち着いてナラ。ここは、あの王が作った新しい世界。そして、これはこの世界に介入するための入れ物」

「王?ソロモン?でも、どうしてそんな所にまさか…………封印が解けたの!?」

「違うわぁ、意識だけ此方に来たのよだから身体は異世界に……ただあなたを連れて来るのは本当に骨が折れたわ。封印の要ですもの仕方ないわよね」

意識だけそんな事が…………もう一度あそこにアルバと帰らなければ。新しい世界?をアルマトランのようにしてはいけない

「アルバ、帰ろう?ここにいてはダメ」

「なぜ?帰らないわ!!あの王が作ったこの世界を壊すまでは、我らが父が再び降臨するまではッ!わかっているでしょう??」

「ッアルバ!!」「玉艶様。白徳様がお探しで」

「…………わかったわ、すぐに行きます。ナラあなたは、ずっとここにいて。見届けて欲しいの、我々が宿願を果たすその時まで」

一方的に会話を中断し去っていくアルバを見つめながら涙を流した……そんな私の周りをルフが取り囲む

「助けて、ソロモン……」

答えはない。
それから、幾日たったのだろうかあれから個室を与えられ、アルバ以外のかつて、一緒に戦った人々が次々と現れては消え、現れては消えを繰り返し…アルバだけかと思っていたのに存外封印世界の人々がアルバと一緒に来ていた。なのに、この魂が感じる封印の楔は綻び一つない……

「ナラ、今日からは私達と行動して貰うアル」

「……」

「私達は、ナラの護衛アル。あの時は、助けられてしまったアルけど、今度こそ絶対に守ってあげるアル」

一通りの再会の挨拶が終わると共にファーランとワヒード、テスが私の護衛になったらしい。アルバたちのルフに囲まれているだけでは、心配らしい

「ナラ入っていいかしら?」

「アル……玉艶、いいよ」

「お初にお目にかかる俺は、練白雄と申します」

「同じく、練白連です」

「?この子達は??」

「私の子供よ。二人がどうしても貴女に会いたいというから連れてきたの」

久しぶりにファーラン達が居ない?と思いながらもここに来てずっと眺めている大きな窓からの外を空を眺めていると、アルバが現れてアルバの子供を連れてきた一体どういうつもりなのだろうか?

「あなたの話は、母上からよく聞いております。とても、愛らしくその年にして類いまれなる魔法の才をお持ちだと」

「そして、俺達のどちらかの許嫁候補だと聞き。一目会いたかった故に、参った所存です」

許、嫁…………?

「玉艶……」

「ナラ、驚くのも無理はないわ、でも貴女には幸せになって欲しいの…………大丈夫二人ともいい子よ?」

アルバは、何をいってるの?頭を鈍器で殴られたかのような衝撃が襲い固まっているうちにも話が進む

「さぁ、二人共。ナラと沢山お話してあげて?まずは、お互いを知らなくては」

「「はい、母上」」

嫌だ、嫌だ嫌だ!

「私は、幸せになんかなりたくない!それに私はっ」

「ナラ……そんなこといわないで?」

アルバは、悲しそうにしながら私を抱きしめその耳元でいった
この子たちは、嫌?ならこの子たち殺してしまおうかしら?

「!!なん、」

いいのよ。子ならいくらでも産めるわ
そのうちあなた好みの子が生まれるかもしれないわ

「…………ごめんなさい。」

私は、生まれてきた命を守ってあげたい私のせいで無惨に殺されるなんて耐えられない。

「わかってくれたのねぇ?よかったわ」

こうして、アルバの子達との交流が始まった。そして、知ったのが私は孤児だったのをアルバに拾われて育てられた娘同然の子という嘘で塗り固められた事実だった。それに見計らったように、この入れ物の身体も、2人に近い…
でも、私は候補……今は、興味本位や物珍しさで訪れているだろうけれど、もう少し大きくなって自分たちの現状を理解すれば興味は失せるだろう‥‥

「ナラ?何か考えごとか?」

「何でもない。白雄は最近背が伸びたね」

「そうだな、成長期真っ盛りだからだろうねナラは、そのままでいてくれよ」

「私だって同じ成長期よ、そうなるかわからないわ」

そう、二人が訪ねてきている中思考を巡らせすぎて会話がおろそかになっていたようだ。
すかさず気づいて、声をかけてくれる白雄に何でもないと返し、別の話題にすり替える。

ここにきて、何度季節を巡ったのか‥‥わからなくなってしまうほど瞬きの内に時間が流れていく
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