運命

□第0夜
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決められた定めから袂を分かれてしまった、哀れな巫女。もう二度と元に戻ることはない××××番目の時詠みの巫女 ユール。



―ユール・・・

自分と同じ声で目覚めるのはとても、不思議ね。

―あなたも、ユールでしょ?

―そう私たちは双子のユール。でも、彼に会えるは一人だけ・・・

あらゆる可能性が生まれる世界で、帰ってきた私は、私たちは双子になっていたけれども彼に会うために、あの世界に産声を上げるのはどちらか一人。もう一方は、再び可能性の一部となってこの世界を漂う。

―カイアス・・・・

目を閉じれば、彼の姿が鮮明に映し出される。早く帰ってあげなければ、きっと彼は泣いているだろうから

―私は、彼に会いたい。
―私も、彼に会いたい。

けれど、早く帰りたいが故に、また一人の人間が故にお互いが譲らないけれど

―・・・わかった。貴方が行ってきてお姉ちゃん。このままだと彼は悲しんでいるばかりだから
―ユール。いいの?
―えぇ、私は再びここで待つわ。彼に会えるその日をあなたと会える日を・・・・
―ありがとう。

彼のためや私より早く目覚めた彼女を思えば私は、闇に飲まれてしまっても大丈夫
それでは、再び出会える日を願っておやすみなさい。



















女神エトロ。これが運命だというのならば、どうか彼女にも慈悲を・・・・
 

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