白の世界

□第3話
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 鳥の囀りが聞こえる。

 「ん……。ふあーぁ。」

 白いふかふかのベッドの上で大きな欠伸をして目を覚ますケイ。
 こんなにぐっすりと眠り、鳥の囀りや朝日を浴びて目を覚ますなんて何年振りだろうか。

 「あら、起きた?丁度、今起こそうと思ってたのよ。おはよう。」
 「おはようございます。」
 「さ、顔を洗ってらっしゃい。朝ごはんを食べましょう!」

 冷たい水で顔を洗うとすっきりとした。
 リビングに行くと、朝食のいい匂いがする。今日の朝食は、トーストに目玉焼き、サラダと卵のスープだ。

 「今日は買い物に行きましょう?」
 「買い物?」
 「ええ。あなたの日用品を買おうと思うの。」
 「分かりました。」

 それから、朝食を済ませ歯を磨くとアリスは化粧をし、着替えをした。ケイは特に着替えはしなかった。













 「何を買いますか?」
 「そうねー……まずは下着と服、それから部屋に机かしらね。」
 「机?」
 「ええ。一応ね。」

 アリスはパチリとウインクをした。
 この街は人が多い。と言うより、ケイは他の街を知らないのだが。

 下着屋に着くが、なんせ女性ものなのだからきらきらとしたものばかり。
 ボクは男の子なのだから、こんなものは着れません。

 「こんなのはどう?」

 アリスがケイに見せたのはシンプルなボクサーパンツ。
 ケイはこくりと頷いた。

 結局上下共にシンプルなものをアリスが数点選んだ。

 服も比較的シンプルなものをアリスが選んだ。

 机は後日配送してもらった。

 両手にいっぱいの袋を持ち、二人は並んで歩いた。

 「ありがとうございます。」

 ケイはぽつりと言った。

 「ふふ。どういたしまして。」

 アリスは微笑み、目を合わせるとケイは目を大きく見開き、そして
















笑った









 無邪気ににっこりと。
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