白の世界

□第12話
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俺は今回、生物調査と言うことである国の深い森に足を踏み入れていた。

 この森には獰猛な生き物もいるということで、慎重に進んでいた。


 「ん?なんだあれは?」

 見ると、何かが倒れているようだった。そっと近づくと、草を踏む音に少し反応したそれに話しかける。

 「お前、こんな所で何してんだ?
 こんなとこで寝てたら死ぬぞ?」

 反応はない。

 近くで見ると、それは人間だった。まだ、幼さの残るその顔を見て見捨てるほど、俺は人でなしではない。

 痩せこけ、汚れ、伸び放題な髪でよく顔は見えないけれど、たぶん女だろう。

 その女を抱えると、自分が今根城にしている所に戻った。



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 目が覚めた女に話しかけるとぽつりぽつりと話してくれた。
 名前は、ケイ・ストラウスと言うらしい。
 何か抱えているのは見て分かるが、俺から聞くことはしない。だって、今さっき会ったばかりの見知らぬ男に話したくは無いだろうし。

 仕方ない。ケイが動けるようになるまでは面倒を見てやろう。
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