白の世界
□第8話
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アリスを病院に搬送すると、全治一か月で入院となってしまった。
見た目よりも傷が深かったらしい。
「着替えとかここに置いておきます。」
「ありがとう、ケイ。」
ケイはアリスに言われ、家から持って来たものを棚に仕舞うとベッド脇の椅子に腰かけた。
「ケイ。助けに来てくれてありがとう。」
「どういたしまして。」
「ご飯は作らないこと。(短編「とある日常」を参照。)お店の物を買ってね。バランスに気を付けて買うのよ?」
「はーい。」
「掃除、洗濯も忘れずにね。あと、それから……」
「大丈夫です。」
「そ、そう?まあ、強化系は治りも早いから、一か月もかからないと思うわ。」
「分かりました。」
それから少し、話をするとケイは帰路に着いた。
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家が静かに感じた。
―― ケイー、ご飯よー。 ――
「……食べますか。」
途中のコンビニで買ったお弁当をガサゴソと開けると、プラスチック容器に入ったオムライスを食べた。
一人なんて普通だった。
一人でご飯も当たり前だった。
この日食べた大好きなオムライスは、美味しく感じなかった。
「明日、お菓子でも買いますか。」