白の世界

□第8話
1ページ/5ページ


 アリスを病院に搬送すると、全治一か月で入院となってしまった。
 見た目よりも傷が深かったらしい。

 「着替えとかここに置いておきます。」
 「ありがとう、ケイ。」

 ケイはアリスに言われ、家から持って来たものを棚に仕舞うとベッド脇の椅子に腰かけた。

 「ケイ。助けに来てくれてありがとう。」
 「どういたしまして。」
 「ご飯は作らないこと。(短編「とある日常」を参照。)お店の物を買ってね。バランスに気を付けて買うのよ?」
 「はーい。」
 「掃除、洗濯も忘れずにね。あと、それから……」
 「大丈夫です。」
 「そ、そう?まあ、強化系は治りも早いから、一か月もかからないと思うわ。」
 「分かりました。」

 それから少し、話をするとケイは帰路に着いた。





―――――――――――――





 家が静かに感じた。

 ―― ケイー、ご飯よー。 ――

 「……食べますか。」

 途中のコンビニで買ったお弁当をガサゴソと開けると、プラスチック容器に入ったオムライスを食べた。


 一人なんて普通だった。

 一人でご飯も当たり前だった。


 この日食べた大好きなオムライスは、美味しく感じなかった。

 「明日、お菓子でも買いますか。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ