白の世界
□第5話
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アリスにケイの過去を話した翌日。朝食の時である。ケイが不意に言い出した。
「『ネン』ってなんですか?」
「どうしたの急に?」
「トンボさんとかダグさんがボクに使ってきたやつです。」
どうやら、昨日はいろいろあって聞けなかったことが、今になって気になりだしたようだ。
「(ダグ?)ああ。念ね。ケイも私の手伝いをしてくれているし、教えた方がいいわよね。
朝食が終わったら説明するわ。」
一旦「念」の話は中断して、二人は朝食を食べた。
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朝食も終わり、念の勉強会が始まった。
講師…アリス・ストラウス
生徒…ケイ
「まず、念っていうのはね、体からあふれ出すオーラ(生命エネルギー)を自在に操る能力のことよ。これは誰もが 内に秘めている力なのだけれど、使いこなせる者はごくわずかしかいないの。死ぬまで念の事なんて知らない人がほとんどじゃないかしら。」
「ふむふむ。」
「そして、この念の基本は4つ。「纏」「絶」「練」「発」よ。
纏は、体内の精孔からあふれ出ているオーラをを肉体の周りにとどめる技術。 纏の強さは念攻撃からの耐久力につながるわ。
絶は、体内の精孔を閉じてオーラを絶つ技術。気配を消したり極度の疲労を 癒すときなどに効果があるの。ただし、同時に、念攻撃に対する防御力も 0になるから気を付けること。
練は、体内の精孔を広げ通常以上のオーラを生み出す技術。ちなみに「練」は ハンター用語で「"鍛錬"の成果」の意味を持つわ。
そして、発は、オーラを自在に操る技術のことであり、念能力の集大成ともいえるわね。放出系・強化系・変化系・操作系・ 具現化系・特質系の6タイプに分かれているわ。
………って、大丈夫?ケイ?」
「頭パンクします……」
ケイの頭からは煙が出ていた。
「そうね、まあやりながらの方があなたには合っているかもね。」
「どうやって念を覚えるんですか?」
「習得の仕方は二通りあるのよ。」