白の世界

□第4話
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 一週間後。
 ついに、cobraのアジトを突き止めたアリスは、ケイの他に3人の仲間を集めた。

 ウル…メガネをかけた、真面目そうな男性。
 トンボ…グリーンの髪を逆立て、いかにも厳つい男性。
 マヤ…黒く長い髪の美人な女性。

 ホテルの一室に5人は集まり、作戦会議中だ。

 「それにしてもよー。ハンターでもないこんなガキ連れて行って、邪魔になるんじゃねえのか?」

 窓際に腰掛け、目を合わせないケイを見ながら、トンボが言った。
 確かに、160p程度の小柄な女性が殺人集団と戦うなんて想像もできない。

 「トンボの言うとおりです。とても彼は戦える者には見えませんよ?アリス。」
 「でも、アリスが連れてきたってことは、強いんじゃないの?」

 トンボに同感なウルに対し、アリスを信頼しているマヤ。

 「そうね。でも、ケイは強いわよ。そんなに不満なら、誰か手合せでもしてみたら?」

 ケイは終始、興味なさそうだ。窓の外を眺めたり、持ってきたお菓子を食べている。

 「じゃあ、俺がやる。」

 トンボはケイの前に立った。
 ケイはちらりとトンボを見た。




―――――――――――――

 場所は移動して、近くの林の中。少し開けた場所に5人は来ていた。
 向かい合うケイとトンボ。審判であるアリスは二人の間に立つ。

 「一本勝負よ。どちらかが降参した場合、もしくはこちらが危険と感じ止めたら試合終了よ。
 相手を瀕死にしたり、殺してはいけない。
 武器の使用は禁止。二人ともこちらに武器を。」

 二人は持っていた武器をアリスに渡した。しかし、ケイが渡したのは蛍丸のみ。

 「ケイ。『サクラ』もよ。」

 アリスが言うと、ケイは体中から20本ものナイフを出した。
 3人はそれを見て、驚きを隠せないようだ。


 「ふう。準備はいいわね。それでは……



始め!」


 掛け声とともにケイとトンボは走り出した。
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