白の世界

□第3話
1ページ/7ページ


 「さあ!ここがあなたと私の家よ!」
 「お邪魔します。」
 「ちっちっち。
 言ったでしょ。ここはあなたの家でもあるの。家に帰ってきたら『ただいま』よ!」
 「………ただいまです。」
 「おかえりなさい!」

 アリスとケイの二度目の対面から一週間。ケイはアリスとケイの家に来ていた。アパートの一室であるが、広々としている。アリスはこの日に合わせて、家具や部屋の内装を整えておいた。
 シンプルでありながら過ごしやすい空間。落ち着けるように派手な色は抑えてある。

 「あなたの部屋はここよ。自由に使ってね。必要なものがあれば言って。」
 「分かりました。」
 「隣が私の部屋。ここがトイレでこっちがお風呂。」




 一通り部屋を見ると、時間も時間と言うことで、夕食にした。

 今日の夕食はオムライスとコンソメスープ、サラダにから揚げ、魚のソテーもある。

 楕円形のテーブルに置かれた食事と食器。

 「さ、座って。」

 促され、座るがケイはこの状況が不思議だった。

 「たくさんです。」
 「張り切っていっぱい作っちゃった。どんどん食べてね!」
 「一緒に食べていいのですか?」
 「もちろんよ。」
 「明日も?」
 「ええ。一日三食、きっちりとね。」
 「三食も。」
 「おやつ付きよ。」

 アリスはケイの返事に驚きつつも笑顔で返した。

 「さ!冷めちゃう!食べましょ!
 いただきまーす。」
 「……いただきます。」











 美味しい









 久しぶりの誰かとの食事は、とても暖かかった。


 「口に合うといいのだけれど。」
 「美味しいです。」
 「そう。よかったわ。
 じゃんじゃん食べてね!」
 「はい。」

 アリスとケイの新生活が始まった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ