白の世界
□第3話
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「さあ!ここがあなたと私の家よ!」
「お邪魔します。」
「ちっちっち。
言ったでしょ。ここはあなたの家でもあるの。家に帰ってきたら『ただいま』よ!」
「………ただいまです。」
「おかえりなさい!」
アリスとケイの二度目の対面から一週間。ケイはアリスとケイの家に来ていた。アパートの一室であるが、広々としている。アリスはこの日に合わせて、家具や部屋の内装を整えておいた。
シンプルでありながら過ごしやすい空間。落ち着けるように派手な色は抑えてある。
「あなたの部屋はここよ。自由に使ってね。必要なものがあれば言って。」
「分かりました。」
「隣が私の部屋。ここがトイレでこっちがお風呂。」
一通り部屋を見ると、時間も時間と言うことで、夕食にした。
今日の夕食はオムライスとコンソメスープ、サラダにから揚げ、魚のソテーもある。
楕円形のテーブルに置かれた食事と食器。
「さ、座って。」
促され、座るがケイはこの状況が不思議だった。
「たくさんです。」
「張り切っていっぱい作っちゃった。どんどん食べてね!」
「一緒に食べていいのですか?」
「もちろんよ。」
「明日も?」
「ええ。一日三食、きっちりとね。」
「三食も。」
「おやつ付きよ。」
アリスはケイの返事に驚きつつも笑顔で返した。
「さ!冷めちゃう!食べましょ!
いただきまーす。」
「……いただきます。」
美味しい
久しぶりの誰かとの食事は、とても暖かかった。
「口に合うといいのだけれど。」
「美味しいです。」
「そう。よかったわ。
じゃんじゃん食べてね!」
「はい。」
アリスとケイの新生活が始まった。