白の世界
□第2話
1ページ/7ページ
「さーあリューヤちゃん。今日もあたくしを楽しませてね!」
「はい。オクサマ。」
「本日のメイン(公開処刑)はリューヤでございます!!」
司会者の声が会場内に響き渡る。リューヤの名前を連呼し喜ぶオクサマ。
「出番です。オクサマを楽しませましょう。」
目の前にはおびえた様子で立つ男性。「始め」の声で逃げる男性。追うリューヤ。
リューヤの足に敵うはずも無く、追いつかれる男性。
リューヤは手に持つナイフで男性の背を刺した。衝撃で男性は倒れるが這ってでも逃げようと奮闘している。
「楽しませなきゃいけないんです。頑張ってくださいねぇ。」
内臓をぶちまけ、動脈を切断し、細かく切り刻んでいく。切って、切って、切った。
湧く会場。
「オクサマ、楽しんでくれましたかね?」
ふふふ。と無邪気に笑う。
あの頃とは違う。
月のように冷たく。
花のようにかわいく。
その笑みに、瞳に、表情に
もう、あの頃のようなキラキラはなかった。
無自覚のストレス環境が彼女を変えた。
この頃、ケイのリューヤの体毛は無く、残る頭髪やまつ毛、眉毛は白く生え変わっていた。白い肌には似合わない、白い髪。