白の世界
□第1話
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「ほらぁ!リューヤちゃーん!もっと私たちを楽しませてぇ!!」
シュッ シュッ シュッ
カンッ
「はいっ!ほいっ!」
「ほっほっほ!いいわよ!愉快よ!リューヤちゃん!」
鉄の檻の中にいる、リューヤと呼ばれる者に四方八方から投げられるナイフ。それを避ける姿を見て喜ぶ持ち主と金持ちと主催者。
「お次は、M氏の飼いビトでございます!」
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「オクサマ。今日のボクはよかったですか?」
「そうねー。今日のリューヤちゃんはー………………
70点ね。」
「70点……。ありがとうございます!」
「そんなリューヤちゃんには明日ももっと頑張れるようにオウエンしなきゃねー!」
リューヤの身体に刺し通される何本もの糸。そのまま吊るされ、数えられる1分。もう、リューヤには痛みは感じられない身体となっていた。
「これで、明日もがんばれるわねー。」
「はい。オクサマ。」
15年というリューヤの生涯は、初めからこのように異常なものではなかった。ある時、ある時期をもってこのように変わってしまったのである。
命の重さが無くなり、リューヤと呼ばれる彼女の瞳が変わってしまったのである。