ハイキュー!!

□指でキスしよう。
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声にできない

すれ違い目をそらしてしまう





授業中も休み時間も…私の目の先に居るのは彼ーー

「及川くんっ、あのちょっといいかな…?」

及川徹ーーー私の好きな人

彼は異性にとてもモテる。

「ん?なに〜??」

彼自体、爽やかで優しい。バレー部の主将でありその技術もとても高い、らしい。

それよりもなにより…彼の横顔が好き、笑顔が好き。

私は彼の虜になってしまっていた。

そうあの時から…

高校の入学式の日
私は道に迷ってしまった。
受験で一度訪れたとはいえは私は極度方向音痴だった。
GoogleMAPをみてもたどりつくことができない。

「あれ…ここ、どこだろう。」

気づいたら全然違う場所に来ていた。
入学式初日に遅刻はまずい、と焦っていた時

…私は彼に出会った。



「君、どうしたの?こんなところで、あ、もしかして道に迷ったの??」



同じクラスになってから、自然と…私の目の先にあるのは及川くんだった。


彼方と特別になりたい。
彼方の特別になりたい。

なんどそう思ったことだろう。


私の視線に気がついて、彼が私をみても私は目をそらしてしまう。

目があったら…落ちそうで。

彼に本当に落ちてしまう。

彼の仕草、一つ一つで胸が熱くなる。

この想いどうしたらいいんだろう。
もどかしくてたまらない。

私の愛に気づいて。
視線の先で揺れる想いはまだ届かない…。

放課後、教室で勉強してから帰ることにした。
最初は数人いたが、今ではもう私だけだった。

「ふう…このぐらいかな。」

時計は7時を回っている。
集中したなぁ…。

「帰るか…。」

勉強がひと段落がついて帰り支度を始めようとした時ーー

ガラっ

いきなりドアが開いた。

そこには彼が立っていた。

「お、及川くん…?」


教室には私と彼の二人ーー

「あぁ、風早さんか。お疲れっ、勉強してたの??」

胸の高鳴りがとまらない。

普段とは違う練習着を着ている彼ー

「う、うん…。」

彼の顔がみれない。
目を合わせるのがこわい…。

彼の深い目でみつめられると、その中にある答えを探してしまいそうで。

及川くんは、私の気持ちをしっているのかな…。

…知らないよね。
私が毎日、彼方をみていることも。
私が彼方に恋をしていることも。


気づいてくれたらな…。



「あ、あのさっ、もうこんなに暗いし…風早さん!…一緒に帰らない??」


「え…、…???」


嘘…。
彼の言葉が信じられなかった。
まっすぐな瞳で私を見ている彼は眩しくて…。

「どうかな…?」

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