ハイキュー!!

□肝試し
1ページ/1ページ

季節は夏ーー。

山奥の合宿所では、烏野高校・青葉城西高校、バレーボール部の合同合宿が行われていた。

一週間あるプログラムの中での5日目も終わり、心身共に疲れ果てていた彼らであったが、五日目の夜にはあるイベントが用意されていた。

「よーしっ、じゃあ肝試しすっぞー。皆集まれ〜!」

「うおおおおおおお!!!」
「よっしゃぁああああっ」
「はぁ…。まじかよ…。」
「だる…。」

喜び騒ぐ者、うなだれる者と二極化に別れていたが、この合宿での一代イベントともいえる肝試しが今行われようとしていた。


「じゃあ〜烏野から二人か、三人ずつだして。うちとの組み合わせ、アミダで決めるからサ。」

「ういーっす。」


烏野高校side

「じゃあ、組み合わせは、まず日向と影山。」

「え"!?なんで俺が日向(影山)と!!!??」

「お前ら、なんだかんだいって息ぴったりだろ。大丈夫たべっ!」

「菅原さん…。」

「あとはー俺とスガと旭、西谷と田中、縁下と成田と木下…月島と山口な。」

「おーすっ。」

「…なんで俺がこいつとなんかと…。ブツブツ…。おい!日向。」

「びくっ、なっなんだよ!影山!!?」

「お前、びびりすぎて腹下すのやめろよ!迷惑だから。」

「!?くっくださねぇよっ!!びびってもねぇし!!お、お前だって、大王様にびびってんじゃねぇのっ?」

「なんだと…!?日向ボゲぇっ、この俺がびびってるわけねぇだろっっっ!!!」

ギャーギャー!!

「おい、二人とも落ちつけって!!」

ギャーギャー!!

「二人共いいかげんにしろよ…?」

ピタっ、シーン…。

「はぁ、大丈夫かな…。」

青城side

「じゃあ〜うちからは、俺と岩ちゃん、マッキーとマッツン、金田一と国見ちゃんね。」

「おーすっ。」

「及川とか…。」

「え!?なに、岩ちゃん!?俺と一緒なのが不満なわけ!?」

「ああ。」

「即答とかひどいっっ。」

「まぁ、別にいつものことだろ。」












「主将くーんっ、きまったー?」

「おうー。」

「じゃあ〜アミダアミダ〜。烏野は〜飛雄とおチビちゃん、主将くんに爽やかくん…!???」

「どうした?及川??」

「な…!??ぁあああああああぬわぁああんで!!なんで俺が飛雄と同じチ、チームっ!???」

「及川さん(大王様)と!?」

「なんでぇぇぇぇ!??神様ぁあああああああ岩ちゃぁあああああん!!!」

「うるさい、騒ぐなグズ川。」

「…っ、岩ちゃんっ、俺どうすればいいのっ。」

「知らねーよ…。」

ーーー5分後

「よーっし、じゃあルールを簡単に言うぞ。ここから真っ直ぐ1キロいった所にお堂があるからそこに、このローソクを立ててこい、途中でリタイアした奴、1時間以内にもどってこない奴らは失格なー。」

「おーすっ。」

「あと、言うけど、ここ…でる!!らしいから…気をつけろよぉ〜。」

「…!!大地やめろよ〜まじびびるじゃん…。」

「旭びびりすぎ〜!!」

「スガは怖くないのかよっ?!」

「旭さん!それだから弱腰だとかなんとか言われるんすよ!男は胸はって生きなきゃ!!」

「西谷…。」

「そうっすよ!旭さん!ノヤっさんの言うとおりだぜ!!」

「田中…。」


ワイワイ、ガヤガヤ


なんやかんやで、場は盛り上がり澤村からルールが簡単に説明され、順番はじゃんけんで及川のチームが最初となった。

「ハハっ、あの二人は怖いもの知らなそうだもんね〜、ねっ岩ちゃん。」

「おう…で、俺たちトップバッターみたいだぞ??」

「ああ、そうだったね。」

「岩泉さん…と及川さんよろしくお願いします!!」

「ああ、影山とひ…ひな…?」

「ひっひっひ日向どぅえっす!!」

「ブホっ!!!」

「影山笑ってんじゃねぇええ!!」

「…日向か。よろしくな。いつもは敵同士だが今は仲間だ。協力してこうぜ。」

「よろしくお願いします!!」

「なんで、俺が飛雄なんかと…ブツブツ、ねっ岩ちゃんそう思わない??もう、飛雄なんか置いて先いっちゃお〜よっ。」

「そこまで言うんならお前一人でいけ、俺ら三人で後からいくから。」

「…なっ!!?う、うそだよっ!!嘘に決まってんじゃ〜んっ、岩ちゃんったら冗談通じないんだからぁ〜。」

「…なぁ、影山…大王様って試合以外はこんななの??」

「ああ…今のは見なかったことにしろ…」

「おう…。」

及川チームが出発し5分…。
四人の中には異様な空気が漂っていた。

「…って、誰もはなさねぇな。皆びびってんのか??」

「そんなことありません、俺は余裕です。」

「でたよ。飛雄、強がってんじゃないの??」

「…及川さんじゃあるまいし、あるわけないと思います。」

「…なっ、飛雄ぉ…!!!」

「はぁ〜もう、及川だまれ、こんな時まで影山につっかかる理由なんてないだろ。」

「だってぇ〜。」

「…でさ、影山…。あいつ…日向大丈夫か?」

「え…?」

ガサっ

「…ぁあっ、あぁぁ、い、いまっだっだれか、うごっぃぁあああああああ!!!!!!か、影山ぁあああああ」

「ぷっ」

人一倍、緊張や不安に弱い日向は肝試しという恐怖の行事に打ち勝てるわけもなく、何も起こっていないのにただ一人で騒いでいた。

「…いつものことなんで、大丈夫だと思います。」

「そうか、ならいいが。」

「岩ちゃ〜ん、全然怖くないよ〜。肝試しってもっとこうドキドキワクワクびくびくするもんじゃないのぉ〜。しかも男四人とかっ、普通女の子とくるべきデショ。」

「お前はな…。俺は結構、楽しいぞ?」

「またまたぁ〜岩ちゃん余裕ぶっこいて〜。」

「岩泉さんも大変っすよね。」

「ああ…俺の苦労がわかるか、影山…。」

「な、なにさ!二人して!!!もう知らなっ」


ガサっ、ダダダダダダダン!!!

「…!!!!????」

「うおっえっ、あっなにぃっ!!!」

「ぁああああああああああもう俺無理だぁああああ!!!スガさぁあああ〜ん!キャプテ〜ンんんん!!お母さぁああああん!!」

「なんだよっ!今の!?おい日向っ!!」

「なっ、な、な、なにか、いっいま動いたよっ、い'' わち''ゃん''っ!!」

「…はぁ、落ちつけよ…及川。日向も大丈夫か?」

「だっ、大丈夫どぅぇっす!?」

「おい!!日向ボゲぇっ!!お前騒ぎすぎなんだよっ!!お前のせいで、俺まで驚いたじゃねぇかっ!!」

「こっこっちだって騒ぎたくて騒いでるわけじゃねぇよ!!!ふざけんな!!」

「は?ふざけんな?なんだと!?コラぁ日向ボゲ!!」

「お前はボゲしかいえねぇのかよ!?」

「ちょ、ちょっと飛雄もおチビちゃんも落ちついて!!」

「はい…。」

「なんだ…ただの山猫じゃねぇか。」

「ちょっと俺…。」

「はぁ…もう、いこっ!!これじゃ、時間切れになっちゃう!!」

「あぁ、そうだな。…影山、日向いくぞ。」

「はい。」










「ふう…結構歩いたね。」

「そうだな。そろそろつく…あ、あれじゃねぇか?」

「みたいっすね。」

「あ、あれだあれだ!!…っと、あった!これだね。」

「みたいだな。ひとまず、クリアか…。時間は大丈夫みたいだな。じゃあ、戻るか。」

















「…あの、先から日向静かじゃありませんか?(ボソっ)」

「確かに、あのおチビちゃんさっきまですごい騒いでたのに、いきなり静かになったね。」

「びびりすぎて静かになったんじゃねぇか?」

「…あいつ緊張とか不安とかにほんっと弱いんすよ。一つ、気合いいれさせるか…」

「やめておきなよ。そうとうびびってるみたいだし。それに、飛雄も本当は怖いんでしょ?」

「え…?」

「及川、お前も怖いんじゃねぇのか?」

「…言わなかったんだけど、さっきからあのおチビちゃん、なんかブツブツ言ってない??」

「え…??」

しーん

「ブツブツ…。」

「…!?な、なんか小さい声でいってる!?」

「こえーじゃねぇか…。」

「…ちっ、おい!!日向!!お前、なにブツブツいってんだっ!…あ…。」

「あれー??影山と大王様と岩泉さんもう戻ってきたんだー!」

「…え?日向?」

突然、そこにいるはずの日向が林から姿を現した。

「お、おチビちゃん!?なんでそこから…!??」

「あぁ…あの、あまりにも怖すぎて腹下したんでさっきからずっと林で用を…。へへっ。」


「へへっ、じゃねぇだろ!!じゃあ、今までいた日向は…!??」

「マジかよ…。」

「いない…!??」

「え?俺?ずっとここに居ましたよ?」

三人「…う、うぁああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」


いきなり叫びたしてもうダッシュで逃げる三人、状況のわからない日向。


「えっ!?ちょっ、ちょっと三人とも待ってぇ〜!!!!」








「というわけで、ローソク途中で落としてきちゃいました…。」

「ひどい目にあったぜ…。」

「はい…(げっそり)」

「まじか…本当に日向、その場にいなかったのか?」

「はい…。(げっそり)」

「 ま、まぁ、しょうがない!!…でも、本当にここでるんだな…。」

「おい!大地!あれ嘘だったのかよ!!」

「冗談でいったつもりだったんだがーー。」













ーーーーーーーでるよーーーーーーー













一同「!?????うぁあああああああああああああ!!!!!!!」





終わり

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ