REAL STORY
□憎しみ
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「ヒ、ヒロキさん!ぁ…今の、音は⁈」
「爆発音……ぃ、行ってみる?」
銃声ではなく爆発音、という事は、音のした方へ行くと、もしかしたら森の外に出られるかもしれない。
「…怖いならここに残っ」
「行きます!ゎ…私、迷子なので!」
そう言いつつユッカは少し震えていた。
その事が分かったヒロキはユッカに問いかける。
「ユッカ、頭にでも乗っておく?揺れるかもしれないけど…」
「ぁ…ぇ、でも…………い、いいんですか?」
「勿論。じゃ、ほら」
どうぞ、と頭へ誘導する。
「ぁ、えと、すいま…ぁ。ありがとうございます」
「どういたしまして」
頭の上で「ありがとうって嬉しい言葉なんですね」と微笑むユッカ、つられてヒロキも笑った。