鬼神とお狐さま
□彼の最期
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それは鬼火が丁の体に入るという物だった
《俺達は別に構わねぇが…美桜様は良いのかい?》
『良いって、何が?』
《俺達が入ればその子どもは完全な鬼になる。だが鬼になれば最後、人には戻れない》
『…分かってる。でも丁君には何としてでも、生きていてほしいの』
《何故この子どもに拘る?》
『それは…好き、だからかな。私にとって丁君はかけがえのない大切な人だから』
《…そうかい》
そう言うと鬼火達はスッと丁の体に入っていった
『ありがとう、鬼火さん』
『…ごめんね、丁君。私と出会ったばかりにこんな事になっちゃって、本当にごめんね』
(でももう安心してね。私、君の前から居なくなるから。離れるのは辛いけど、でも君の事をずっと見守っているから)
『…さよなら、丁君』
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