鬼神とお狐さま
□彼の最期
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一方美桜は妙な胸騒ぎを感じていた
(何だろう、この感じ…もしかして丁君に何かあったんじゃ?!)
そう考えるとすぐに森を抜け出し、彼の居る村へと向かった
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『ハァハァ…っすみません!!』
「見ない顔だな。どうした?」
『“丁"と言う少年を知りませんか!?もしご存知でしたら、どこに居るか教えて下さい!』
「!!…アイツは」
「丁ならこの村の“生け贄"になったぜ」
『生け、贄?丁君が?』
「あぁ。何なら確かめてみるか?祭壇はこの先にある」
村人の言葉を聞くが早いか、すぐ彼のもとへ再び走る
『…丁君!!』
言われた通りそこには祭壇があり、中央に横たわる人物を見つけ慌てて駆け寄ると、その人物は丁だった
『丁君!丁君!』
よく見るとその顔は酷く青白く、全く生気を感じられない
『ねぇ、起きてよ丁君!だって私と約束したでしょう?!』
揺さぶったり、声を掛けたり等色々したが…反応は無かった
『嘘、でしょ?…』
『いやっ…いやああああああああああああああ!!』
もう丁君と話せない
もう丁君と一緒に
『…居られない』
そう美桜が悲しみに暮れていると…
《お、美桜様じゃねえか。こんな所で泣いてどうしたんだい?》
『…鬼火さん?』
顔を上げると鬼火が三つゆらゆら揺れていた。そこで一つある考えが浮かぶ
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