鬼神とお狐さま

□彼の最期
5ページ/6ページ


一方美桜は妙な胸騒ぎを感じていた

(何だろう、この感じ…もしかして丁君に何かあったんじゃ?!)

そう考えるとすぐに森を抜け出し、彼の居る村へと向かった





『ハァハァ…っすみません!!』

「見ない顔だな。どうした?」

『“丁"と言う少年を知りませんか!?もしご存知でしたら、どこに居るか教えて下さい!』

「!!…アイツは」

「丁ならこの村の“生け贄"になったぜ」

『生け、贄?丁君が?』

「あぁ。何なら確かめてみるか?祭壇はこの先にある」

村人の言葉を聞くが早いか、すぐ彼のもとへ再び走る

『…丁君!!』

言われた通りそこには祭壇があり、中央に横たわる人物を見つけ慌てて駆け寄ると、その人物は丁だった

『丁君!丁君!』

よく見るとその顔は酷く青白く、全く生気を感じられない

『ねぇ、起きてよ丁君!だって私と約束したでしょう?!』

揺さぶったり、声を掛けたり等色々したが…反応は無かった

『嘘、でしょ?…』

『いやっ…いやああああああああああああああ!!』

もう丁君と話せない

もう丁君と一緒に

『…居られない』

そう美桜が悲しみに暮れていると…

《お、美桜様じゃねえか。こんな所で泣いてどうしたんだい?》

『…鬼火さん?』

顔を上げると鬼火が三つゆらゆら揺れていた。そこで一つある考えが浮かぶ






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ