鬼神とお狐さま
□彼の最期
3ページ/6ページ
「…美桜さん!」
聞き慣れた声に振り向くとそこには汗をかき、息も絶え絶えな丁がいた
『丁君!?一体どうしたの!?』
彼女が驚くのも無理はない。何故なら、ここまで酷く焦った彼を見るのは初めてだからだ
「ハァ、ハァ…」
『…丁君?』
すると丁は美桜の袖をぐっと引っ張り、自分とあまり変わらないその小さな体を抱きしめた
『〜っ!?///』
美桜がいきなりの行動に戸惑っていると…
「…すみません。ですが少し、このままでいさせて下さい」
『!!…うん、いいよ』
「ありがとうございます」
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
『…それって、本当?』
「…はい」
『そう、なんだ。…一緒に逃げよう!丁君!』
「一緒に、ですか」
『そうだよ!だって…いつもどこか怪我してるじゃない!』
「?!それは…」
『気づいたのは最近だけど、でもこれは自然に出来た物じゃないよね?』
美桜は優しくそう言うと、丁の右腕に両手を翳した。すると彼女の手から光が溢れだし、それはまるで太陽の様に綺麗だった
『…取り敢えずこれで大丈夫かな』
「ありがとうございます、美桜さん」
・