鬼神とお狐さま

□彼の最期
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「…美桜さん!」

聞き慣れた声に振り向くとそこには汗をかき、息も絶え絶えな丁がいた

『丁君!?一体どうしたの!?』

彼女が驚くのも無理はない。何故なら、ここまで酷く焦った彼を見るのは初めてだからだ

「ハァ、ハァ…」

『…丁君?』

すると丁は美桜の袖をぐっと引っ張り、自分とあまり変わらないその小さな体を抱きしめた

『〜っ!?///』

美桜がいきなりの行動に戸惑っていると…

「…すみません。ですが少し、このままでいさせて下さい」

『!!…うん、いいよ』

「ありがとうございます」

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

『…それって、本当?』

「…はい」

『そう、なんだ。…一緒に逃げよう!丁君!』

「一緒に、ですか」

『そうだよ!だって…いつもどこか怪我してるじゃない!』

「?!それは…」

『気づいたのは最近だけど、でもこれは自然に出来た物じゃないよね?』

美桜は優しくそう言うと、丁の右腕に両手を翳した。すると彼女の手から光が溢れだし、それはまるで太陽の様に綺麗だった

『…取り敢えずこれで大丈夫かな』

「ありがとうございます、美桜さん」






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