鬼神とお狐さま
□彼の最期
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夜。動物も人も皆が寝静まる頃、丁はふと目が覚めてしまった
「…仕方ないですね。少し外の空気でも吸いますか」
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暫くすると、寒くなってきたので中に戻ろうとしたその時、僅かだが村人の話し声が聞こえてきた
(こんな夜中に一体何を…)
そこで丁はとんでもない事を聞いてしまう
「うちは嫌だぞ」
「うちだってまだ七歳になったばかりだ」
「ならば丁はどうだ?」
「そうだな。丁を“生け贄"に出そう」
(っ!?)
「だが生け贄は良いとして、問題はあの“化け狐"だ」
「確かに。あれは尻尾が十に分かれていて、しかも妙な術まで使うと言う」
「ならば早く退治せねば!!」
最後まで話を聞いていた丁は、一瞬何が何だか分からなくなった
(この人達は、何を言っている?美桜さんを殺す?)
そう考えると居ても立ってもいられなくなり、急いで美桜のもとへ向かった
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