七つ子の夢・V

□第七十八話
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誰かが私を呼んでいる。

厳しくて、温かくて、優しい声だ。

仲間達の声。

でも私はその声に応える言葉はできない。

応えたくても、体が言うことを聞いてくれない。

ーー……。

ーー……。

ーー……。

落ちていく。

落ちていく。

落ちていく。

何故だか分からないけれど、落ちていくのが分かる。

それは氷の神殿で味わった感覚と同じ。深い深い谷底へと落ちていくあの感覚。

けれど、とてもゆっくりだ。

体は何故か温かい。

あの身を刺す感覚はない。

寧ろ、誰かに守られているような…。

大きな手で抱き締められているような…。

幼き日、いつも甘えていた父親に抱き上げてもらっていたことを思い出す。
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