FACE CHAT
□FACE CHAT3
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※FACE CHAT“潮風が…”の後
宝物
ウィスタリア「………」
エステル「ウィル、何か落としたんですか」
ウィスタリア「え、違うけど…どうして?」
エステル「さっきからずっと砂浜で何か探しているようでしたから」
ウィスタリア「これ、貝殻を探してたの」
エステル「とても小さくて可愛い貝殻ですね。名前はなんて言うんです?」
ウィスタリア「名前までは知らない」
エステル「綺麗ですね。ハルルの花びらみたい」
ウィスタリア「黄色もあるよ、ほら」
エステル「こっちは薄い黄色ですね。どちらも可愛いです」
ウィスタリア「気に入った?」
エステル「はい」
ウィスタリア「そう。…ちょっと貸して」
エステル「はい、どうぞ」
ウィスタリア「……」
エステル「何をしているんです?」
ウィスタリア「…できた。はい、エステルに」
エステル「え、これを私に?」
ウィスタリア「いらなかった?」
エステル「いえ、そういうわけじゃないんです。
これはウィルが見つけたものですから、私がもらってもいいのかと…」
ウィスタリア「いいよ。気まぐれで探してただけだし、実はリタのも作ったんだ。こっちのは黄色い貝殻ね」
エステル「…手の平に包み込まれてしまうほどの小さな瓶の中にとても小さな貝殻を入れて、青い海を思い出しながら眺める……なんだか素敵です」
ウィスタリア「エステルのは薄いピンクだから、ハルルの花も思い出せるね」
エステル「はいっ、とても嬉しいです。ありがとうございます、ウィル。これは一生の宝物にします!」
ウィスタリア「いや、一生の宝物にしなくていいから……」
END.
貝殻ですが実物を持っています。住んでいるところは海の近くなので、そこで拾ったものです。
10/01/23