小説1
□確認したい
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「っっ〜〜〜〜〜〜!!」
オレガノは1人、声にならない叫びをあげた。
ヴァリアー本部。
綱吉は幼い頃からイタリアにいて、特にヴァリアーのメンバーのいるここが好きだった。
特に門外顧問である父親の部下、オレガノとは仲が良かった。
女の人が少ないというのもあるだろう。
大人の彼女に相談する事は多く、いつの間にか1番仲良くなっていた。
そんなオレガノも、綱吉の事が大好きだった。
自分の上司である沢田家光とは似ても似つかないその娘、沢田綱吉。
ふわふわとした髪と雰囲気、大きな瞳に華奢だけれど柔らかそうな身体。
マフィアの本部というこの場所に最も似つかわしくない存在。
それにも関わらず、その頂点に最も相応しい存在。
それでも戦いを嫌がる彼女を、オレガノは自分の出来る限り守っていこうと決めていた。
だが、最近その仕事が増えてきた。
綱吉がマフィアの世界に完全に足を入れた訳ではない。
周りに敵が増えたのだ。
そう、雄達の魔の手が………
「あら?どうしたのよオレガノちゃん」
そう言ったのは、自室で優雅にティータイムを過ごしていたルッスーリア。
そこへ慌てて飛び込んできたのはオレガノだった。
実はこの2人、結構仲がいい。
ルッスーリアが女性的だという事もあるが、お互い綱吉が大切という事で意見が一致し、彼女を守りたいという事で目的が同じだったからだ。
息を切らして入ってきたオレガノは、ルッスーリアが勧めてくれた紅茶を飲みひとまず落ち着いた。
「……ふぅ」
「落ち着いた?」
「えぇ、ありがとう」
そしてオレガノは、訳を話し始めた。
「………」
聞き終えたルッスーリアは大興奮。
これまた慌てて部屋を出て行った。
行き先はもちろん、愛しい愛しい綱吉の元。
一方、綱吉は部屋で着替えの途中だった。
そこへバタバタと駆け込んできた2人。
もちろん、予想外の事に驚く綱吉。
いくら彼女でも、着替え中に入られては少し照れる。
が、そこはさすがというべきか、すぐにニコッと笑って招き入れた。
「どうしたの?ルッスーリアにオレガノさんまで…」
「ツナちゃんっ!!」
「はい?!」
ガシッと肩を掴まれ、思わず身体が固まる。
未だ上はブラジャー1枚という姿だったが、基本的に綱吉はルッスーリアを女性の類に入れているので、何ら問題はない。
オレガノもそこは認めている。
「……やっぱり!!」
「や…やっぱり…って?」
気迫のあるルッスーリアに混乱するばかりである。
「ツナちゃん、胸大きくなったでしょ!!」
「………はい?!」
何事かと思えば、真面目にそう言われた。