小説1

□悲しい嘘
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リング争奪戦後、ザンザスと綱吉は互いに惹かれ合い、恋人同士となった。
 
だが、それを知ったザンザスやヴァリアーに恨みのある他ファミリーが綱吉に狙いを変えたのだ。
 
 
彼の大事な者を奪うために。
 
 
 
それでも綱吉とてあのリボーンの生徒、簡単には殺られない。
 
しかしこうも常に狙われていると死角も出来るわけで、そうなると防ぎようがない。
ザンザスもついているが、やはり綱吉を庇いながらとなる。
 
 
そして、綱吉の背後から銃が撃たれた。
 
ザンザスも気付かなかったようで慌てて綱吉と弾丸の間に飛び込み、結局数針縫う怪我をした。
 
彼1人ならば軽く倒せた相手だ。
 
その時綱吉は思った。
 
 
あぁ…自分は彼の重荷なんだ、と。
 
このままだと、彼は怪我では済まない事になるかもしれない、と。
 
 
そして決心した。
 
 
彼と別れる事を。
 
 
 
もちろん、まだザンザスの事は好きだ。
 
だが、彼を失うのは自分が死ぬより怖い。
 
 
 
 
だから
 
 
どうか生きていてほしい
 
 
 
それだけで十分だから
 
 
 
 
 
リボーンは複雑な顔で立ち上がると、そのままフッと何処かへ消えた。
 
残された綱吉は、今まで我慢してきたものを一気に吐き出す。
 
 
 
 
この大量の滴と声にならない声で、全て流れてしまえばいいのに
 
 
 
彼との思い出も、こんな気持ちも
 
 
 
この胸を締め付ける苦しみはきっと一生消えない
 
 
 
 
 
ごめんねザンザス
 
 
今までありがとう
 
 
 
ずっと愛してる
 
 
 
 
だから
 
 
俺の事なんか忘れて
 
 
幸せになって
 
 
 
 
それがきっと
 
 
 
俺の幸せだから
 
 
 
 
 
 
 
悲恋で終わりたくない方
 
 
→後書き
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