小説1
□恋
13ページ/14ページ
改めて、綱吉はザンザスと向き合う。
「ザンザスさん、私、恋愛感情とかってホントはまだよくわからないんです。でも、貴方に会いたいと思いました。すごく愛しいと思いました。大切だと思いました。貴方に好きって言われて、本当に嬉しかったんです」
照れくさそうにそう言った綱吉。
そんな彼女がとても愛しくて、思わずまた抱きしめる。
「綱吉・・・愛してる」
「はい。私も、たぶん愛してます」
「たぶん、か」
「あ、あのっ、そういう感情ってどうもまだよくわからなくて・・・っ」
慌てた綱吉を見て、それがまたすごく可愛いと思ってしまう。
「冗談だ。ゆっくりでいい。これから存分にその感情ってやつを知ってもらうから、覚悟しとけ」
「はっ、はい!!」
綱吉
今まで俺の中になかった感情を引き出した存在
初めて裏路地で出会ったあの時から
きっと俺の心はとっくにおまえに奪われていた
これから嫌って程わからせてやるよ
俺の気持ちも
おまえの気持ちも
綱吉とザンザスは遠距離恋愛となった。
ザンザスも仕事柄そうちょくちょく日本に行けるわけでもない。
それでも、なんとか調整して時間を作るようにはしていた。
凪は家族と再会を果たし、今では綱吉と大の仲良しでしょっちゅう会っている。
空港での再会から少したったある日
「あらツッ君、どうしたの?いきなりイタリア語のお勉強なんて」
「うん、どうしても言いたい言葉があるの」
今度会う時は
貴方の国の言葉でちゃんと伝えたい
「愛してる」って
→後書き