小説1

□恋
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改めて、綱吉はザンザスと向き合う。
 
 
「ザンザスさん、私、恋愛感情とかってホントはまだよくわからないんです。でも、貴方に会いたいと思いました。すごく愛しいと思いました。大切だと思いました。貴方に好きって言われて、本当に嬉しかったんです」
 
 
照れくさそうにそう言った綱吉。
 
そんな彼女がとても愛しくて、思わずまた抱きしめる。
 
 
 
「綱吉・・・愛してる」
 
 
「はい。私も、たぶん愛してます」
 
 
「たぶん、か」
 
 
「あ、あのっ、そういう感情ってどうもまだよくわからなくて・・・っ」
 
 
慌てた綱吉を見て、それがまたすごく可愛いと思ってしまう。
 
 
「冗談だ。ゆっくりでいい。これから存分にその感情ってやつを知ってもらうから、覚悟しとけ」
 
 
「はっ、はい!!」
 
 
 
 
 
 
綱吉
 
 
 
今まで俺の中になかった感情を引き出した存在
 
 
 
初めて裏路地で出会ったあの時から
 
 
きっと俺の心はとっくにおまえに奪われていた
 
 
 
 
これから嫌って程わからせてやるよ
 
 
 
 
 
俺の気持ちも
 
 
 
 
おまえの気持ちも
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
綱吉とザンザスは遠距離恋愛となった。
 
ザンザスも仕事柄そうちょくちょく日本に行けるわけでもない。
 
それでも、なんとか調整して時間を作るようにはしていた。
 
 
 
 
 
凪は家族と再会を果たし、今では綱吉と大の仲良しでしょっちゅう会っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
空港での再会から少したったある日
 
 
 
「あらツッ君、どうしたの?いきなりイタリア語のお勉強なんて」
 
 
 
「うん、どうしても言いたい言葉があるの」
 
 
 
 
 
 
今度会う時は
 
 
 
 
貴方の国の言葉でちゃんと伝えたい
 
 
 
 
 
 
 
「愛してる」って
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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