小説1

□はた迷惑な愛情表現
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「う"お"お"お"お"い!!この書類―――………………」
 
特徴的な濁音と共にドアが乱暴に開けられた。
まさに2人がキスをしようとした瞬間だった。
 
ドアを開けたのはもちろんタイミング最悪なスクアーロ。
 
 
 
「カス………」
 
 
「邪魔したなぁ!!」
 
 
バターンと勢いよくドアが閉められた。
ものすごい速さで足音が遠のいていく。
 
 
「ちょっと待ってっ」
 
無言でスクアーロを追おうとしたザンザスをツナは慌てて止める。
 
「今のはあいつが悪い」
 
「でもそれはタイミングが悪かっただけだしっ」
 
「…………」
 
まだ不満がありそうなザンザスに向かって、ツナは最後の説得に出た。
 
 
「じゃあ、ザンザスは私を放ってスクアーロの所に行くんだ…」
 
「は?」
 
「久しぶりに会ってキスもしてないのに、他の人の所へ行くんだ……」
 
実際、言っているツナ本人はものすごく恥ずかしいのである。
だが平和主義者な彼女は、やはりスクアーロが病院送りになるのを放ってはおけない。
ある意味スクアーロの為だが、そんな事も知らないザンザスはツナに向き直り、またまた抱きしめる。
 
「悪かった。せっかくおまえから会いに来てくれたのにな」
 
「うん」
 
 
そして今度こそ、キスを交わす2人。
 
それは浅いものから自然と深いものへと変わる。
 
 
恋人の嫉妬深さを改めて痛感したツナであった。
 
 
 
→後書き
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