小説1

□最高の誕生日プレゼント
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『ツナちゃん、そうと決まれば早速支度よぉ。あ〜っ、楽しみだわぁ!』
 
ルッスーリアが早く早くと身体をくねくねさせる。
 
そこで綱吉は気づいた。
 
「日本での仕事って…9代目からの伝言だったんだ…」
 
「正確に言えば、おまえをイタリアに連れて来る事だ」
 
ザンザスが答える。
 
「やっぱりわかってるね、9代目は。みんなが来てくれて、俺が行かない訳ないじゃないか」
 
「嫌か?」
 
「まさか!すっごく嬉しい!ありがとうみんな!!」
 
 
 
それから綱吉は、今までにないくらい最高の笑顔でクラスメイト達の方を向く。
 
「みんな、さようなら!」
 
一言そう言うと、「行こう獄寺君」と言って、獄寺と突然の来訪者と共に教室から出て行くのであった。
 
それから、並盛で綱吉と獄寺の姿を見た者はいないという。
 
 
 
 
 
 
ただ、残されたはずの山本は悲しんではいたが落ち込んではいなかった。
それは、最後に綱吉に会った時に言われた言葉が原因だった。
 
「ごっこじゃない、本当にマフィアになる気があるんだったら、中学を卒業したらイタリアに来て。その時は歓迎するよ。ただし、とんでもなく危険な世界だから、良く考えて。山本には夢もある、友達もいる、だから強制はしないよ」
 
そう言って姿を消した綱吉。
 
考えるまでもなく、山本の心は決まっていた。
 
確かに野球は大好きで、プロ野球選手になるのが夢だった。
だが、それは綱吉と出会うまで。
何が1番大事か、自分がどうしたいかなど、決まっている。
 
 
 
そして、綱吉やボンゴレに関わったメンバーも同じように言われていた。
 
イタリアに仲間が揃う日も、そう遠くはないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
イタリアへ行く準備が終わり、綱吉達が日本を発つ時が来た。
 
「日本……しばらくさよならだね」
 
奈々もイタリアへ行くが、家は残しておくらしい。
獄寺はアパートを解約した。
 
 
 
 
 
空港では、ヴァリアーの面々が綱吉達を待っていた。
 
綱吉はみんなの元へ駆け寄ると、満面の笑みで言った。
 
 
「みんな、最高の誕生日プレゼントをありがとう!!」
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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