小説1

□そして彼は君臨した
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「おい!」
 
そこへ、さらなる訪問者が入って来た。
大柄で鋭い目つき、加えて顔の傷跡に、周囲はスクアーロを見た時以上に驚き怯えた。
 
 
「ザンザス……」
 
ツナが慌てて入って来たヴァリアーのボスであるザンザスを見る。
 
ザンザスは素早くスクアーロの頭を掴むと、壁に思いきり叩きつけた。
 
「っんのカスが!あれほど綱吉の学校には行くなっつったろーが!!」
 
「い"っ……いやでも……9代目が急ぎでこれを渡せって……」
 
「何?」
 
ツナはスクアーロが取り出した封筒を取る。
そして開けて見ると……手紙と9代目のブロマイドが入っていた。
 
「……………………」
 
とりあえずブロマイドを無言で燃やし尽くし、手紙は一応読む。
そこにはイタリア語でこう書かれていた。
 
 
『愛しい我が孫へ
 
 チャオ、綱吉君。
 君の愛しいおじいちゃんだよ。
 
 実は正式に綱吉君がボンゴレ10代目に決まってね、その記念といっては何だが、私のブロマイドをプレゼントする。
 寂しい時は是非眺めてくれ。
 
 そして、前々から思っていたのだが、私の愛しい綱吉君がダメツナとバカにされている事に私は我慢ならなくてね、スクアーロを送り込んだ。
 彼ならばきっと、何も考えずに学校へ飛び込んでくれるだろう。
 
 演技などもうやめて、強い綱吉君を見せつけてあげなさい。
 そして早くイタリアに来てほしい。
 
 待っているよ。
 
 愛しのおじいちゃんより』
 
 
 
 
「……………………」
 
手紙が一瞬で灰になった。
 
そしてツナはニッコリ笑うと、すでにボロボロなスクアーロにさらにパンチをくらわす。
それから笑顔のまま言った。
 
「おまえのバカさがこんな事態を招いたのか……そうか」
 
ツナはさらにザンザスを見て、指を鳴らす。
 
「スクアーロを止められなかった罰……受ける覚悟で来たんだよな?ザンザス」
 
「まっ…待て、綱吉。俺はこれでも急いで止めようと……」
 
バキッといい音がして、ザンザスの顔には見事に殴られた跡がついた。
 
「まぁ全面的にスクアーロが悪いみたいだし、一応努力はしたみたいだから、これで許してあげるよ」
 
 
 
それからツナは獄寺に携帯を持ってこさせる。
もちろん自分の携帯だ。
9代目は仕事の電話にはなかなか出ないが、ツナからの電話には3コール以内で出るのだ。
 
 
 
『綱吉君かい?』
 
予想通り、すぐに出た。
 
「9代目、俺の言いたい事、わかります?」
 
ツナは流暢にイタリア語を話す。
 
クラスメート達はもはや何に驚いて良いのかわからず、呆然とイタリア語を話すツナを見ていた。
 
 
 
「……は?ブロマイドはどうか?即灰にしたに決まってんだろこのクソジジイ。それより俺の平穏をどうしてくれるんだ?10代目継ぐのやめるぞコノヤロウ」
 
「「………………」」
 
イタリア語のわかるザンザスや獄寺は冷や汗を流しながら会話の行く末を見守る。
ちなみにスクアーロはすでに気絶していた。
 
 
 
 
 
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