1周年アンケート小説置き場

□幸せ
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「おぎゃあぁぁぁあぁ〜〜っ!!」
 
その産声を聞いて、ザンザスは思わず立ち上がった。
 
 
 
 
 
ここは病院。
紆余曲折あったが、なんとか周囲を諌めて結婚したザンザスと綱吉。
 
そして、綱吉に子供が出来たのだ。
という事は、時期ボンゴレボス。
ファミリーのみんなはそりゃあもう喜んだ。
例外として複雑な心境の者もいたが。
 
 
 
綱吉は汗まみれで呼吸を荒くする。
 
やっと、やっと産まれたのだ。
 
 
「おめでとうございます、元気な女の子ですよ」
 
助産師がそう言って顔のすぐ横に赤ちゃんを寝かせてくれた。
 
「……女の子…」
 
まだ目も開いていなく、顔もしわくちゃ。
それでもすごく可愛い。
 
これが……我が子。
 
 
「はじめまして…だね」
 
今更涙が出てきた。
不思議だ。
どんなに痛くても泣かなかったのに、この子を見ただけで泣くなんて。
 
 
 
「っ綱吉!!」
 
「ザンザス…」
 
ザンザスは、綱吉の隣で手足を動かしている赤ん坊を見る。
そしてまずは妻の額にキスをする。
 
「綱吉、よくやったな」
 
「ザンザス……うん…私達の子…」
 
ザンザスは赤ん坊にそっと触れる。
やわらかくて温かい、そしてすごく可愛らしいと思えた。
 
 
 
その日、ついに念願の子供が産まれた。
 
 
 
 
 
産まれるまでは性別を知りたくないと言って聞かなかった綱吉。
だが女の子だとわかった。
まぁ、自分もボスをやっている訳だから問題はないだろう。
それに、継ぐか継がないかは本人の意思の問題。
 
子供は「リア」と名づけられ、両親と周囲の愛情の元、元気に育っていった。
 
 
 
 
 
 
「あー、リアったら、また柵から出ようとしてっ。危ないからダメだよ?」
 
リアは元気…いや元気すぎる程だった。
まだ歩けないのにベッドから出ようと柵をガタガタ揺らしたり、やっと外へ出たと思ったらハイハイで何処へでも行こうとする。
黒髪に深紅の瞳、見た目はザンザスそっくりだ。
 
綱吉は子育てをしながらしばらくは書類仕事に徹し、ザンザスはヴァリアーボスとして次々に仕事をこなしていった。
 
 
 

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