小話置き場

□その願いは
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花は1ヶ月ぶりに恋人に会っていた。
 
名はガンマ。
イタリア人。
 
それしか教えられていない。
今まではそれで十分だった。
 
 
 
花はソファーに座り、ガンマの腕にそっと自らの腕を絡める。
 
「…ねぇガンマ、貴方一体何やってるの?」
 
「何だ?急に」
 
書類を眺めていたガンマはそれをテーブルに置く。
全てイタリア語だから問題はない。
 
「私の周り、少しおかしいわ。うまくは言えないけど…」
 
「それで?」
 
「貴方が忙しくなったのも最近。…何か関係ない?」
 
不安そうな花に、ガンマは優しく微笑んだ。
 
「関係ないよ。言っただろう?俺はそんなに危険な仕事はしてないって」
 
「でも……」
 
「心配するな、花。おまえは俺が守ってやるから」
 
な?と肩を抱かれ、花はおとなしく頷く。
 
 
「…わかったわ。でも、私に出来る事があるなら何でも言って」
 
「あぁ。ありがとう」
 
久々に取れた休み。
それでも緊急事態が起きれば行かなくてはならない。
 
ガンマの携帯が鳴った。
仕事場から緊急の呼び出しだった。
 
「ガンマ…」
 
「悪ぃな、お呼ばれだ」
 
「…うん、気をつけて」
 
「あぁ」
 
 
そしてガンマは黒い制服を身にまとう。
γになるために………。
 
もう一度携帯が鳴る。
今度は部下からだった。
 
『兄貴っ、ゲームの始まりだぜ!!』
 
「ほぉ、やっとか」
 
リングもボックスも持った。
あとは網にかけた敵をいたぶるのみ。
 
「ゲーム・スタートだ」
 
γは微笑む。
それは恋人に向けた笑みとはまた違う、血に飢えた殺戮者のような顔だった。
 
 
 
花は窓際から薄暗い空を見上げ、呟いた。
 
「ガンマ…どうか危険な事はしないで……」
 
彼女の代わりのように、空が静かに泣き出した。
 
この想いは、果たして本当に届くのだろうか………。
 
その雨が止むのは、一体いつなのだろう。
 
 
しかしそれは、一層激しくなるばかりなのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――――――――――――――――
初のγ花。
え?妄想しすぎ?
だって花の部屋にあった写真が気になって…。
勝手にγだと思い込んでる。
それと持田先輩すら行方不明なのに、リング戦(晴戦)にも来た花が無事なのは絶対おかしいでしょう。
そしてγは“ガンマ”と“γ”を使いわけてるといい。
あ、コミック派ですので、原作は知りません。
ヤベ、楽しい(笑)
2008.05.14
 
 

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