小話置き場

□目が離せない
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「はひーっ、また仕事ですか?!」
 
「そうだよ。そこの書類、今すぐ片付けといて」
 
 
僕は並中生徒会メンバーのマーモン。
 
見た目赤ん坊だけど、頭はここにいる誰よりいい。
 
それは保証出来る。
 
 
 
最近、生徒会に新しいメンバーが加わった。
 
本当はボス…生徒会長のお気に入りである沢田綱吉だけ入れるはずだったのだが、思わぬオマケがくっついてきた。
 
笹川京子、黒川花、そしてこの三浦ハル。
 
3人共、沢田綱吉の護衛のようにいつも付き添っている。
 
笹川京子はスクアーロに気に入られ、黒川花はレヴィにベッタリだ。
 
そして余り者の三浦ハルを、僕が仕方なく面倒みている。
 
 
だが彼女、頭はそこそこいいくせにかなりの馬鹿だ。
 
要領は悪いし常にあたふたしてせわしない。
 
おまけにうるさいのだ。
 
よく喋る。
 
仕事には熱心に取り組んでいるが、その分世話のかかる女。
 
 
だからこそ、放っておけない。
 
 
 
「ちょっと、ここの書類はこっちだよ」
 
「はひっ、すみませんです〜」
 
放っておいたら仕事が減るどころか増える一方だ。
 
 
彼女はいつだって元気で、失敗しても明るくて。
 
そして沢田綱吉の事が大好きだ。
この仕事だって、その沢田綱吉のためにやっているのだろう。
 
 

 
「君ってさ」
 
「はい?」
 
「………いや、何でもない」
 
「…?」
 
 
本当は聞きたかった。
 
“何でそんなに懸命に仕事をするの?”って。
 
答えはわかっているけれども。
 
 
 
「ほら、早く仕事しなよ」
 
「ラジャーですっ。ハルは先輩やみんなのために頑張りますよ〜!!」
 
「っ…………」
 
「はひ?どうしたんですか?先輩」
 
「……君は…沢田綱吉のために仕事してるんじゃないの?」
 
すると彼女は意外にもこう言った。
 
「最初はそうでしたけど、今はツナさんはもちろん皆さんのためにやってるんです!!」
 
「みんなの…ため……?」
 
「はい!!それに、早くマーモン先輩のお役に立てるよう頑張ります!!」
 
「………………」
 
嬉しい、なんて思ってしまったのはきっと、自分の仕事が減るから。
 
ただそれだけ。
 
 
それ以外は、ありえない………。
 
 
 
「じゃあ早く仕事覚えてよね」
 
「は、はい!!了解であります!!」
 
そう言って慌てて仕事に戻る彼女の姿を眺める。
 
先程のもやもやはすっかり晴れていた。
 
 
これから、楽しくなりそうだ。
 
 
 
マーモンは大好きなチョコを一口かじり、またミスをしている後輩の元へ向かうのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――――――――――――――――
これまた意外なマーモン×ハル。
別館のやつですね。
まだまだラブラブとは程遠い2人。
ていうかマーモン→ハルみたい…。
もはや言い過ぎた台詞ですが、マイナーすみません。
2008.04.16
 
 

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