小話置き場

□女性達の時間
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「オレガノさん、ちょっといいですか?」
 
「あら、何ですか?お嬢様」
 
 
門外顧問である父さんの部下のオレガノさん。
綺麗だし頭はいいし優しいし、まさにパーフェクトな女性だ。
私もすごく憧れている。
 
“お嬢様”と呼ばれるのは少し恥ずかしいけれど、もう慣れてしまった。
 
 
バジル君を含め、門外顧問チームのみんなとは仲がいい。
でもその中でも、オレガノさんとは特に仲が良くなった。
多分女同士っていうのが大きいんだと思う。
 
ボンゴレ含め門外顧問チームも、圧倒的に女性が少なかった。
だからやっぱり女同士でしか出来ない話や相談事もある訳で……。
 
今日はそれの為に来たのだ。
 
 
 
「あの…買い物に付き合ってもらってもいいですか…?」
 
「えぇ、もちろんです。何をご購入なさるのですか?」
 
 
「…っ………ぎ……なんです……けど………」
 
 
「申し訳ございません、もう一度よろしいですか?よく聞き取れませんでしたので…」
 
 
 
「……下着…を……買いたいんです…」
 
 
 
「あ……はい、お供致します」
 
 
一瞬驚いたような顔をしたオレガノさん。
 
え…私が下着買うっておかしい?
確かに、今までは母さんの買ってきたやつを適当に着てたけど、やっぱりそろそろ自分で選びたい。
 
 
「自分で買うの初めてなんで、よくわからないんです…。だからオレガノさんに、どんなのがいいか教えてもらおうと思って……」
 
こーゆー話って、女同士でも結構恥ずかしい。
14にもなって自分で買った事がないなんて笑われるかと思ったけど、オレガノさんは優しく頷いた。
 
「かしこまりました。では行きましょうか。少し、変装して下さいね」
 
変装は万がーのためだ。
 
 
そうして、私達は女だけのショッピングに出掛けた。
 
 
 
 
 
こじんまりとした、でも専門的に扱っている下着屋に着いた。
 
 
「ところでお嬢様」
 
「はい?」
 
「その…サイズはいくつですか?」
 
「え〜と……B?」
 
「Bの…何ですか?」
 
「えっ?!」
 
何それ。アルファベット以外に何かあるの?!
 
するとオレガノさんは「わかりました」と言って、店員から巻尺を借りてきた。
 
 
そして私と試着室に入ると、カーテンを閉める。
 
 
「お嬢様、上を脱いでいただいても?サイズを測りたいので」
 
「あ、はい」
 
とりあえず下着になる。
するとオレガノさんはまじまじと私の体を見始めた。
……ちょっと恥ずかしい…。
 
「ちょっと…今の下着がきつそうですね?」
 
「そう…ですか?」
 
よくわからないけど。
 
 
「測りますね。……失礼します」
 
そう言って、オレガノさんは丁寧に私の胸を測り出した。
こーゆーのって店員さんとかがやるもんじゃないのかなぁと思いつつ、でも知らない人に測られるのもなんとなく嫌だった。
 
 
ー通り測り終わったらしく、服を着ていいと言われた。
 
「……やっぱり、サイズが大きくなってますね」
 
「ふぇ?」
 
試着室を出る。
 
「私が測りましたところ、Cの65でした。ちなみに数字は、アンダー…つまり胸のすぐ下の数字です。そこから1番高い場所との差で、アルファベットの方のサイズが決まるんですよ」
 
「はぁ……」
 
初耳だった。
とりあえず母さんが「多分Bくらいね〜」とか言ってたからBだと思ってた。
 
「成長期ですもの、これからもどんどん大きくなるでしょうね」
 
クスッと笑い、オレガノさんは“C”と書いてある場所から探し出した。
慌てて私も、どんなものがあるか見てみる。
 
 
「…どんなのがいいんでしょうか…」
 
「ん〜…好みですよ。見せたい相手がいらっしゃるんですか?」
 
「いぃいませんよっ」
 
焦る私を楽しそうに見て、オレガノさんは「これなんかどうでしょうか」と、手にしている下着をこっちに見せる。
それはプラジャーとパンツのセットで、淡いピンクの生地に白いレースがしつこくない程度にある可愛らしいものだった。
 
「…可愛い……」
 
「あくまで私の見立てですが、お嬢様ならば清楚で可愛らしいものがお似合いかと思いまして…」
 
いかがです?と言われ、ホントに可愛かったので頷いた。
 
 
それからもほとんどオレガノさんの見立てで、4セットも買ってしまった。
 
 
 
 
 
朝早めに出掛けたのに、店を出た時には昼過ぎになっていた。
 
 
「ありがとうございます、オレガノさん。やっぱりそろそろ自分で選んで買いたいなぁって思ってたんで…」
 
「いいえ、私も楽しかったです」
 
あぁ、やっぱりいいなと思う。
仕事をしている時はクールでハキハキ働いているのに、普段こうして話している時はすごく物腰が柔らかくて笑顔も暖かい。
 
 
 
「…あ」
 
「え?」
 
いきなりオレガノさんが立ち止まったので、思わず見上げる。
 
「あ、いえ……今度、一緒にお風呂に入りませんか?いい入浴剤が手に入ったんです」
 
「はいっ、喜んで!!」
 
まだ彼女とは一緒にお風呂に入った事はなかった。
たまには人と入るのもいいかもしれない。
 
「その時は、今日買った下着をつけてきて下さいね」
 
「え?」
 
驚いて聞き返すが、オレガノさんは「行きましょう」と言って歩き出した。
慌ててそれに続く。
 
 
 
 
 
そして2日後、一緒に入ったお風呂で彼女に触られまくる事を、ツナはまだ知らない……。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
〜後書き…?〜
オレガノ×ツナ(♀)なんて、書いてるの私くらいかもしれない…ι
いや、言い訳しますと、小説の方の「俺と私と10代目」でちょっとオレガノ×ツナっぽいのがあったので…。
ちょっと書きたいなぁなんて…(汗)
てかオレガノ×ツナ(…オレツナ?略すとなんかおかしい)寸前って感じ。
風呂で本格的に百合になりますよ。
書いてませんけど。
こんなマイナーもの、読んで下さった方々、ありがとうございます!!
2007.12.04

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