Un orologio senza un ago
□出会い
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「あ、ルフィ!ゾロ!!」
メリー号の甲板にはチョッパーと、先ほど帰ってきたらしいロビンがいた。どうやら彼女とルフィたちは行き違いになったらしい。
「どこ行ってたんだよ!今探しに行こうかってロビンと相談してたとこで……」
「悪ィ。ちょっといろいろあって……な」
一言詫びながらゾロはルフィの方をチラッと見た。
それにつられてチョッパーとロビンもルフィの方を見る。
彼が抱えているのはあのウサギ。
「ウサギ……」
「どうしたんだそのウサギ?怪我でもしてるのか!?」
「いや。おもしろウサギだ!!」
おもしろ?と首を傾げるチョッパー。
するとウサギはピョンとルフィから降りるとチョッパーとロビンの前に行き、ウサギながらにペコリとお辞儀をした。
――はじめまして。コリョといいます――
「しゃ、しゃべった!?おまえもしゃべれるのか!?」
「いえ、違うわ船医さん。…テレパシー、かしら」
コクンと小さくウサギ……コリョは頷いた。
それを聞いたルフィはてれぱしーってなんだ?食えるのか?と首を思いっきり傾げている。
「……この子が思ったことを直接私たちの脳に働きかけているのよ」
「つまりは不思議ウサギだな!」
さっきのおもしろとどう違うんだよ…とはゾロとチョッパーはあえて声に出して言わなかった。
「でもなんでそんなことできるんだ??」
そんなテレパシーの話なんて空想上のものか何かだと思っていたチョッパーは疑問を投げかける。
それを聞いたコリョは少し下を俯きながら、それは……と言いかけた所に、
「お、おーい!!」
「マズイわよこの島!!!」
ちょうどナミたちが帰ってきた。
しかし、様子が少しおかしい。
買い物もそこそこに急いで帰ってきたらしい。
ウソップとナミに至っては息を整えながらも青ざめた表情をしている。
「どうしたんだよ、そんなに慌てて……」
「遅いぞおまえら!次はおれが祭に行く番だからな!!」
4人は不思議そうに3人の様子を伺う。
コリョだけがとても暗そうな表情をしていたことには誰も気づかない。
「あ、ああ…それが……」
これを見てくれ、と冷静を装いながらもウソップたち同様戸惑いの色を隠せないでいるサンジが彼らに何やら新聞を見せた。
「これは…?」
「村の新聞…なんだが……」
「『時計祭。いよいよ明日から開催――』」
ロビンは静かにその新聞のトピックスを読み上げた。
「明日?」
「今日じゃなかったのか!?」
「えー!!おっさんたち間違えてたってことかよ!?」
「ま、まあ…そのこともあるが……。問題はその右上だ」
そう言われて彼らは言われたとおりに右上を見る。
そこに記されているのはその日の年月日。
「「………!?」」
その年月日は、自分たちが生きている時代とは違う。
―――100年前のもの、だった。
Essere continuato...