tempt

□頑張る君へ
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―For Usopp―


ピッ。


「なんだ?珍しいなおまえから電話なんて」

『……………』

「ん?もしもーし」

『ウ゛ゾップーーーー!!!!!』

「な…、ど、どうした!?泣いてんのか!!!?」

『泣い゛てなんか……グズッ…ない…よ』

「いや……ま、まァいいや。で、何かあったんか?」

『やだ ダメ 無理っ!!!』

「ものすごいネガティブ三拍子だな……」

『だっでー……明日…』

「明日?……ああ!そういや試験――」

『それ以上言わないで!!』

「あ、悪ィ悪ィ。で、不安になって電話してきたのか?」

『うん……。ウソップが1番暇そうにしてるかなァ…って』

「悪かったな、暇人で。
……でも、おまえ今までスゲー勉強頑張ってなかったか?」

『それとこれとは話が別なの!!』

「そ、そうか?」

『だって…本番でパニックになったら意味ない゛し…。そんなに勉強したっていう満足感がないし……。って考えてったら……私……』

「とりあえず、おまえ1回深呼吸しろ」

『すー…………はー…………』

「落ち着いたか?」

『うん。……ちょっとだけ』

「よし。あのな、今更弱音吐いたってもう後戻りできねェんだぜ?」

『わ…わかってるけど……でも、今更になってどうすればいいのか……』

「だからネガティブになるなって」

『ウソップだっていつもネガティブじゃん』

「おれは……いいんだよ」

『なにが』

「自分のやるべきことはやるっていう心がけがあるからな」

『なにそれ』

「ま、男ウソップの心意気ってやつよ」

『へー。……やっぱりウソップって鼻が長いだけあって変わってるよね』

「おまえには言われたくねェよ」

『なんかいった?』

「いや、なんでも……。でもまァ、そういうことだな」

『なにが?』

「おまえも今できることをやりゃいいんだよ」

『できること?今のこの私に最後の追い込みでもしろと?』

「そんな不安定な気持ちのまま勉強しても身につくと思うか?」

『無理』

「即答だな……。そうじゃなくて、無理矢理でもいいから前向きに考えるんだ」

『前向き………。それができたら苦労し――』

「だーーかーら、そんなこと言ってたらキリがねェだろ!!おまえならできる!!」

『本当?』

「おれが嘘ついたことあるか?」

『うん。すごく』

「あのな……。どんだけ長い間おまえの悩みを聞いてきたと思ってんだ!それに、」

『それに?』

「明日のために今まで頑張ってきたのかはおれが1番よく知ってるから。その頑張りが報われないわけないだろ?このおれ様が認めてるんだから!!」

『ウソップ……』

「な。おまえの場合、おれと違ってネガティブに考えだすとそのままの気持ちで本番向かえちまって、出せる力も出せなくなるんだから、もっと前向きに考えろ。そうすれば、自然と自分自身で答えを導き出せるからよ」

『うん……うん。そうだね。頑張るよ…私!!』

「おう!頑張れよ!!」

『ありがと。やっぱり電話してよかったわ!』

「だろ?伊達におまえとの付き合い長くねェよ」

『あはは。たしかに。……あれ、なんか感動して涙が……』

「おいおい、次に泣くのは合格してから……だろ?」

『うん。――じゃあきっとすぐに泣くことになるね』

「だな。そん時はおれの胸貸してやるよ!」

『えー、いらない』

「おまえなァ……」


相談相手



(でも、側にはいてほしい…な)
(………なっ!!?)
(あれ?もしかして、今、顔赤らめてる?)
(そ……そんなわけ、あ、あるか!!!今日はもう寝ろ!明日眠くて集中できなかったなんてなったら意味ねェんだから!!)
(はーい)




END
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