Un orologio senza un ago
□狂獣
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「ギャーーーー!!!」
草の茂みから出てきた獣たちにチョッパーは悲鳴をあげ、すぐさまサンジの足にしがみついた。
ルフィとサンジは臨時体制に入る。
獣は何の迷うもなく、爪をたて、牙をむきだしにして彼らに向かって突撃してきた。
「くっ!」
「こんにゃろ!!!」
襲い掛かってくる獣たちにそれぞれ応戦するルフィ達。
……しかし。
いくら彼らが全力で攻撃をしようが、殴られたり蹴られたりした獣は一時は体勢を崩して倒れるものの、すぐにまた立ち上がってまた襲い掛かってくる。
それを繰り返していくうちに、獣の数はまた1匹…また1匹…と増えていって、気がつけばたくさんの獣達が姿を現し、ルフィ達を囲んでいた。
「クソ、これじゃァキリがねェ…」
「なんで襲い掛かってくるんだよ!?」
グルルルル……
「え?」
何度目かのお互いが睨み合いをしているその時。
獣達のうめき声がチョッパーの耳に届いた。
「どうした、チョッパー」
「『それを寄こせ』って言ってる……」
「それ?それってなんだよ」
「わからねェ。あいつらそればっかり言ってるみたいで……!」
ゥガァァァァ!!!!
「『噛み殺してでも奪いとる』……って、ギャーー!!!」
彼らに考える時間を獣達は与えてはくれない。
「それ」の正体がわかることなく、再び一斉に飛び上がり襲い掛かってくる。
「ゴムゴムのォ……」
そんな獣達を前にしてルフィは深く息を吸うと――
「銃乱打(ガトリング)!!!!」
ドガガガ……――ドゴォォォォン……
激しく拳を繰り広げ、目の前の獣達を殴り飛ばした。
グルゥ……
ルフィたちの前にいた獣達は吹っ飛び、怯んでいる。しかし、またいつ体勢を戻して襲い掛かってくるかわからない。
「逃げるぞ!!!」
そう叫ぶとルフィを先頭に開かれた道を彼らは駆け抜けた。
こんなキリがない戦いを続けていてもこちらの体力が消耗するだけ。
そう判断したルフィはこの場からなんとかして脱出する方法をとった。
サンジとチョッパーも後に続く。
だが、獣達はそれをのがしはしない。
全速力で後を追ってきた。
「逃げるつったってどこへだよ!?」
「わからねェ」
「わからねェって、このままじゃどうせ追いつかれちまうぞ」
「あいつらおれ達の話なんか聞こうとしてくれねェんだ」
「どんだけ凶暴なんだよ……」
走りながら会話を交わす3人だが、そうこうしているうちにどんどん獣達との距離は縮んでいく。
「やっぱり戦うしかねェってか…」
「出口はどこなんだよォー!!!」
―――……チ――
「ん?」
――コッチ二来テ――
ルフィの頭の中に声が響く。
前にも聞いたことがある…声。
しかし、その声の主は見つからない。
ルフィは不思議に思いながらキョロキョロと回りを見回すと、ある建物が視界に入った。
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