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□一夜だけの夢
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目の前に広がるのは海だった

ついさっきまで、私は布団に潜っていたはずなのに
青くて青い海が一面に広がっていた

そして、さらにまわりを見れば――
見覚えのある船にいることがわかった
何回も漫画で読んだりアニメでみたりしてたから知らないはずがない・・・
サニー号に私はいる

でも
視界がぼやけていてよくわからない

そう・・・これは夢
今日見ている夢にすぎない・・・

そんな現実に起こるはずがない

フワフワした気持ちもそのせい
船に乗っているからではない――

そんなこと私だったわからないはずがない

これで、完全に意識が戻れば私は現実に戻される

一夜だけのこの夢からさよならしなくてはいけない

考えてみれば、悪夢よりも悲しい夢

憧れていた――現実には起こることが決してないものを夢見た時の朝は
出会えたことの嬉しさもあるけれど
どちらかというと
現実では会えない寂しさの方が強い

時が経つと
見た夢の記憶は薄れて
他の記憶に埋もれてしまう・・・

私はこの世界で一体なにをしているんだろうか?

彼らと一緒にただいるだけになっているのではないか?

現実の自分はなにができるのか?

夢が終わるのを待つしかないのか――


「そんなことない。」

そう言って急に誰かに抱きしめられた感覚におちいった

「夢なんかじゃない。」

耳元で声が聞こえる

「仲間なんだ。」

私は顔を上げた。

その声の主は―――



一瞬何かに吸い込まれるように暗くなったと思ったら
一気に明るくなった

気がつくと私は布団の中にいた



夢が覚めてしまった



でも
今日は悲しくなんてない

夢か現実かわからないけれど

たしかに
あの人に抱きしめられた感覚がまだ残っている
声が響いている


もしかしたら
こちらが夢かもしれない


今が夢でも現実でも

今日は気持ち良い朝を迎えられそうだ



END



現実逃避!!(笑 最近私もよく見ます♪声をかけたのはクルー?それとも・・・


2008.2/14

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