Un orologio senza un ago

□狂獣
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時は遡り――


「うひょー!すげージャングルみてェな所だなァ」


ルフィ達は密林の中に足を踏み入れてた。

そこは密林というよりも森に近いのかもしれないが、様々な木々や植物が生えていた。
気候は春島に近い感じなのに、熱帯でしか見られない木も見られる。
歩いても歩いてもそれがずっと続いていた。


「いろんな植物があるぞ」

「ああ。だが、妙だな……」

「?」


並んで歩いているチョッパーはサンジの顔を見上げた。
彼は目を細め、タバコを銜えたままぐるりと全体を見回している。

「どうかしたのか?」

「……静かすぎやしねェか?」


静か?チョッパーは思わず首を傾げ、改めてサンジと同じように周りを見回した。


「………」


たしかに、静かすぎる。
何かが違う。まるで生き物の気配が感じない。生き物というよりも…周りの植物から“生気”というものが感じられない。しかし、枯れているわけではない。
言い換えるなら―――


「お、うまそうな食いモン見っけ!!」


と、いい感じの棒を持ちながら先頭をズンズン歩いていたルフィが木になっている果物らしきものを発見した。
彼は迷うことなく、そのゴムの腕を伸ばし木の実を取ろうとする………が、



「ん?んん??」



いくら引っ張っても、取れない。


「どうした、ルフィ」

「いや、こいつ取れねェんだ」


もう一度、今度は両手で力をこめて木の実を取ろうと試みるが


バシッ
「うわっ」


木の実はビクともせず、伸びた腕が木の実からずり落ちて自分の方へと戻ってきてしまった。その反動でルフィは思わずバランスを崩す。


「大丈夫か!?」

「んのやろォ!!」


木の実を取れなかったことが悔しかったらしく歯を剥き出しにして攻撃体制に入る。


「ゴムゴムの………鞭ィ!!!」


ドォォン!!!!



ルフィの技は見事木の実がなっている木に命中。
それこそ木そのものが倒れる勢いで。


だが………



「え?」


その木は倒れるどころか、葉っぱ一枚すら落ちなかった。もちろん木の実も落ちてこない。


「なんでだ?ちゃんと当たったぞ」

「くっそー!!」


チョッパーは首を傾げ、ルフィはこの現象にさらに攻撃を仕掛ける気でいる。


「待てよ」


しかしサンジがそれに待ったをかけた。


「……やっぱおかしくねェか」

「? なにがだ?」

「この木のことか?」

「つーよりもこの密林全体……動きってもんがねェ」


動かない――
サンジやチョッパーが先程から感じていた妙な静けさ。感じられない生気。
まるで木々がそのままの形のまま固まってしまったかのような……。


「こりゃァ、何かあるな……」



サンジがふと上を仰ぐと遠くの方で何かを見つけて、思わず目を細めた。


(……塔?)


ガサッ



「「!?」」


しかし次の瞬間、“初めて”彼ら以外に何かが動く音が背後から聞こえた。

ハッと3人は後ろを振り返り、ずっとその奥の草木の陰を睨みつける。


(この臭い……獣?)



ガルルルルル………



そして聞こえてきた低いうめき声。



ガササ




ゥガォァァァ!!!!!!





草陰から飛び出してきたのは、獣。
それも一匹だけではない。



虎や熊や豹や狼……とにかくたくさんの獣がルフィ達に襲い掛かってきた!



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