Un orologio senza un ago
□祭の前日
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「壊れたっておめェ…」
「私に言わないでよ!!」
一方戻ってメリー号では、ナミとウソップが血の気の引いたような白い顔をして困惑していた。
ナミの腕にあるログポースはまるで、グランドラインでは使い物にならない『コンパス』のように一定の方向を指さずに永遠と回っている。
「どうしよう……。空島の時とは違うみたいだし…」
空島に指針を奪われた時は針が上を向いて動かなかった。
しかし、今回は動かないのではなく、ずっと動いている。
ログポースが壊れてしまったとなってはこのグランドラインを航海することなどとてもじゃないができない。
「でも、まだ故障とは決まったわけではないんじゃない?」
「え?どういうこと?」
「前にも言ったでしょ。ログポースだけは疑ってはいけないって」
「!! そ、そうだけど…でも、あの時は……!!」
「おそらく…島の滋気が安定してないんじゃないかしら」
「磁気が?」
「ええ。……予測にすぎないのだけれど」
「どういう意味だ?」
ウソップが投げかけた問いに、ロビンは少し考える素振りを見せた後、口を開く。
「グランドラインの島々にはある特定の磁気を帯びているでしょ」
「ああ」
「それがこの島にはなんらかの理由があって、その磁気に異常が発生している……」
「つまり、この島を抜ければそれも戻るのか?」
「さあ。そうとも限らないわ。憶測にすぎないし、ちゃんと原因を確かめないと」
「要するに、早ェ話が島に上陸すればいいんだろ?」
「そうね…ここにいたって始まらないわ」
「ルフィ達のこともあるしな!!」
4人の意見は上陸することに決まった。
ルフィ達3人に会えるという保障はないけれど、ここでじっとそれを待っていたら何も始まらない。
なにより、彼らはまずこの島の情報を得る必要がある。
目の前にある、流れ着いたこの島。メリーがいる所は一面に白浜が広がっているだけで他には何もない。
と、ゴーグルで島を見渡していたウソップが声をあげた。
「お、向こうの方に何か……ありゃ…民家…と、時計塔?」
彼が見ていた方向にはメリーが位置する場所から少し離れた場所。
遠くからでわかりづらいが何か塔らしき物がそこには建っていた。そのまわりには家々がある。
「時計塔?つまり、村があるのね」
「ああ。そうみてェだ」
「決まりね!とりあえずそこに行きましょ」
「そうね」
「よーし、ゾロくん。おれ様の護衛を頼む」
「なんでだよ」
と、いうわけで早速4人はある程度の準備を整えてから船をおり、その時計塔が目印の村へと向かうことにした。
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