Un orologio senza un ago

□流れ着いた先
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暗く 暗く深いこの場所。
どうやら建物の中のようだ。


しかし、陽の光が当たっているようには見えない。



唯一光があるとすれば、中央に存在するソレ



タッタッタッタ



それからまもなく、急いでこちらに軽く駆けてくるような音が響いた。


その音は中央の辺りで止まる。



「……来たよ」



静かに告げるその言葉によって、その場の雰囲気が一瞬にして変わった。


「本当か!?」

「うん、アイツらが反応してるんだ、間違いない」

「……やっと戻ってきたか」

「あれからどれくらい時間が?」

「さあ、そんなこと…考える意味なんてなかったから」



ハハッと不気味な笑い声ともとらえられる声が静かに聞こえる。


「…おまえの言うとおりだ」

「―――で、これから?」

「そうだな…せっかくの“配達人”だ。少し遊んでみても悪くない」

「いいね、それ」

「しかし、そんな暢気なこと……」

「いいじゃないか。アレさえ帰ってくればなんら問題はないのだから」



まるで楽しむかのように一人は言い、一人は心配し、もう一人は無感情のままそう言い中央に光るソレを向かい合った。


「なァ、おまえも早く元に戻りたいだろ」


今度は必死に笑いを堪えるかのように言う。

中央で光るソレは、弱弱しい光をただ放っているだけだった……。





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