なんじゃこりゃ。
と、それを見た時、シカマルは思ったという。
愛されてる
シカマルにとって、なんとも面倒くさい任務の帰り道の事だった。
下忍という立場上、回ってくる任務は一般人でもできそうなものばかり。
ただでさえも面倒くさい任務であるが、他の人よりソレを感じやすいシカマルにとって、本当に毎日が面倒くさかったという。
そんないつもどおりの任務の帰り道。
肌に染みる風が吹くような日。
シカマルはのんびりと家路を歩く。
シカマルは、空を見ることと、散歩することがとても好きだった。
今日は生憎の曇り空だけど、やっぱり空は良い、とシカマルは思う。
(首いてー)
空を見続けていたために、首に重い痛みが走る。
首を元に位置に戻し、手を添えた。左右にまわせば、ポキポキと爽快な音が聞こえる。
フと、左端に黒いものが目に入った。
左には土手が広がっている・・・が、そこに黒いものが見えるのだ。
(なんじゃありゃ。)
ただ、なんとなく。
シカマルは得体の知れないソレを見るために、うっそうと茂る緑の中へと足を進める。
(なんじゃこりゃ。)
シカマルは、ぼんやりと考えた。
サスケだ。
それは誰がどうみてもサスケだった。
(なんじゃこりゃ・・・。)
シカマルは、サスケを見てもう一度そう思った。
うちはサスケ。
うちは一族の末裔で、エリート。
ちょっと嫌味なやつだが、なんだかんだ云いつつ凄いやつ。
イノがうるさいから最低でも一日一回はこいつの名前を聞く。
格好良い。クール。強い。素敵。
「サスケ」の名前を聞くときに、必ず一緒に聞く言葉だ。
そんなサスケが。
「あのサスケがオチてる・・・。」
めずらしーこともあるもんだ。、とシカマルは思った。
近づけば、寝息も聞こえそうなくらい、サスケは熟睡している。
こんな姿、イノが見たらすげー事になりそうだな。
シカマルは、フと気づき、辺りを見回した。
幸い、あたりにはイノどころか、人の姿も見えない。
なんとなく、その場で膝を折り、その上に右腕を、右手の上に自分の顔を置いた。
(しっかし、なんでよりによってこんな寒い日に・・・。)
今日は生憎の曇り空。風も強く、髪が忙しく暴れている。
(どうせなら、天気の良い日に昼寝すりゃ良いのによ・・・。)
と、云う所まで思って、フと気づいた。
あぁ、だからか。
「だからこんな格好してんのか・・・。」
クッ、と笑いが漏れる。
(だっせーやつ。)
もう一度、サスケの姿を見直す。
下半身には、温かそうな・・・、所謂膝掛けというものがかかっている。
冬になると、アカデミーの女生徒がこぞってこんなものを膝にかけていた、とシカマルは思った。
その膝掛けは淡いピンク色で、はじっこに桜の花びらがプリントされていた。
上半身には、青とオレンジ色のジャージの上がかかっている。
そして、(ジャージと膝掛けに若干かぶってしまっているが)胸から膝あたりには、木の葉の上忍ベストが。
「だっせーやつ・・・。」
今度は口にだして、そう言った。
イノと一緒で、いっつもサスケの事考えてるもんな、あいつ。
仲悪そうに見えて、意外とサスケが好きなんだな、あいつ。
掴めないような顔してたけど、やっぱりサスケの事大切に思ってるんだな、あの人。
「お前、愛されてんのな。」
サスケが起きた後、どんな反応するのか見てみたい気もしたけれど。
優しい三人に見習って、サスケの腕を毛布代わりの掛け物に入れてやって。
シカマルは家路を歩いていった。
fin.
サクラ・ナルト・カカシのものがそれぞれ体にかけられているサスケってすっげー可愛いんじゃないかと思って小説にしてみましたが、いまいちでした。
これは絵におこさないと伝わらないと思いますあははは。絵心ないんで無理です(笑)
思い立って数十分で書いちゃったので、文章も少ないし、おかしい所があるかもしれないですが・・・。
小鳥由加子
2008/04/06