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□A much wantted baby!!!
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A much wanted baby !!!





黒の教団の食堂。そこは教団の中で最も賑わう場所。楽しそうな笑い声、食器がカチャカチャなる音、食べ物を注文する声。様々な音が入り混じるこの場所で、今日もまた一段と人々の注目を集めているのは、食堂の長いテーブル。ではなくて、その上に積まれた大量の皿。その皿に埋もれるようにして尚夕食を食べ続けているのは、白髪の小柄な少年だった。








最早教団内で右に出る者はいないと言われるほどの大食い少年、アレン・ウォーカー。







「んん〜vこの海老フライ最高に美味しいですねv流石ジェリーさん!!幸せだなぁv」








ぐっさりとフォークを突き刺した海老フライを至福の表情で口に頬張る。一体全体、この細身の身体のどこにこれだけ大量の食べ物が入るのだろうか。









「相変わらず凄ェな…;見てるだけでお腹いっぱいになるさ」








アレンの反対側に座る赤髪の青年が目を丸くして呟く。右目に眼帯をした青年、ラビ。子どものように無邪気な笑顔とその温厚な性格故に、実年齢よりも幼く見える風貌。それを今は呆れたような表情にして、彼は積まれた皿で隠れていくアレンを見ていた。細い指はフォークを持っているが、何故かその下のオムライスは全く減っていない。










別に何も不思議ではない、夕食の風景。ラビの前にはオムライス。そう、このオムライスから話は始まるのだ。












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