TReaSuRe
□I love you.
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不思議そうにラビが見つめる中、クロスは自分の旅行鞄をひっくり返す。中からは何だか分からない物がゴロゴロと出てきて、その中の一つ…液体の入った小瓶をクロスは手に取る。
「クロス…何…?」
「飲め」
ラビはじっと小瓶を見ていたが、ここで拒否すればまたクロスはどこかへ行ってしまうという不安に駆られ、とうとう中の液体に口を付けた。こくこくと小さく喉を鳴らして瓶の中の液体を全て飲み干したラビ。
「ぷはぁっ…甘ッ…何コレ」
「さぁな。暫くそこにいろ」
「えっ!?」
いなくなってしまうのかと思いクロスを見るが、クロスは椅子に腰掛けて面白そうにベッドの上のラビを見つめるばかり。仕方なく、ラビはベッドの上ですることも無くじっとしていた。
―…数分程過ぎた頃。
唐突にピクリとラビの身体が跳ねた。クロスは器用に片眉を上げてニヤリと笑みを浮かべる。が、ラビはそんなクロスの僅かな表情にも構っていられなかった。
「ひ、はっ……ぁ、…ッ!!」
何もしていないのに呼吸が乱れ、何もしていないのに心臓が激しく脈動する。突然の身体の変化に戸惑ってクロスの方へ救いを求めようと身体を動かせば、申し訳程度に残っていた衣服が肌に擦れた。
ただそれだけなのに―…
「ふ、ぁん…っ!!!?」
「ほぉ…何もしていないのにそんな声が出せるのか?」
自分でも驚く程、ただ衣服が擦れただけとは思えない刺激が伝わる。下肢に熱が集まるのが自分でも分かる。弱弱しい声を上げて、ラビはベッドの上からクロスを見つめた。
「く、ろすぅ…オレ、変さぁッ…///」
「…流石、東洋の強力な媚薬だな。一滴で十分な効果が得られるってのは嘘じゃない…だとしたら、なぁ…ラビ。これを一瓶飲み干したらどうなるんだろうな?」
クロスの言葉に、ラビは身体を震わせた。理性が次第に崩れ落ちていく感覚が怖い。けれど、壊れる程の快感を身体が欲しているのもまた自覚していた。だからラビは潤んだ瞳でクロスを捕らえ、妖艶に誘い込む。
「クロスっ…も、我慢出来なッ…滅茶苦茶にしてぇっ…///」
「はっ、ブックマンの後継者より男娼の方が性にあってるんじゃないか?…まぁ、薬のせいもあるか…」
クロスが再びベッドの上に戻ってくるだけで、ラビの身体は歓喜に震えた。
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