短編&番外編
□夢主と高杉出逢い編
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咄嗟に木の影に隠れる。
それはやはり施設の死体処理人で。
どうやらいくつか死体を運んで来たようだ。
地球人で実験した場合はよく死ぬからこの死体達もソレだと思った。
でも、嫌な予感が強くなる。
ふとNo.134は気づいてしまった。
一つだけかなりぐちゃぐちゃの死体があることに。
その顔がどうやら見覚えのあるものだと言うことに!
「あ、れは……」
カインドだ。
気づいた瞬間No.134は心が憎悪に染められていくのを感じる。
何で?カインドは希少な夜兎なのにとか当たり前なことが考えられなくなっていた。
ただ憎しみの炎が溢れ出すだけ。
その時、初めてNo.134は炎を出した。
「君たち…!それはカインドだよね……?」
炎を出したのは初めてだけどNo.134が焔族だと言うことは知っていたのか男達は落ち着いてNo.134を捕らえようとした。
ただ、No.134の戦闘能力は知らなかったらしいが。
華奢な体に少し太い燃えた棒を手にもって目がイってるだけの少年。
だけどその体が大きく揺れたその時、
鮮血が空へと舞う。
辺りに肉片が散る。
それは瞬きするほどに速く、
思わず目を見張るほどに綺麗。
初めて人を切ったNo.134はカインドの死体にすがり付く。
本当に大切な人だったのだ。
ただ一人だけの親友。
思い出すのは初めて会った日で。
あの日が瞼の裏に張り付いて離れない。
初めて、この紫がかった髪を綺麗と言ってくれて、
トモダチになろうと言ってくれて。
「カインド!カインドォォォ!!んで…死ぬんだよ…また!後でって言ったじゃんかぁ…」